12 Bar Seven stone ページ12
一人の少年がリュックを揺らしながら走る。リュックに着いた折り鶴のストラップが振り回される。
「お、遅れてスイマセン!」
バーの扉を勢い良く開ける。
「遅いぞ稔!3分遅刻!」
「すすす、スイマセン!裏拏さん!」
「名前で呼ぶなって言っただろう!」
「スイマセン!迅足先輩!」
「裏拏、いつまでもお局で居るのはよろしくありませんわ。」
「黙れ表子。その口縫い合わせようか。」
「あら、物騒ですわ。」
表子は胸を揺らす。
「いいながめだね〜。」
「殺欺。豊満な乳には興味ないんじゃなかったか?」
「豊満は豊の象徴だよ。見てて悪い気はしないよ、護。」
「表子良い匂い〜。」
「禊子ちゃんってば、可愛い〜!」
「俺も〜!」
「ケイ、アンタは便所掃除よ。」
「はぁー!?」
「てかさ、ケイいい加減その名前やめたら?契でいいじゃん。」
「うるせぇ殺欺!俺は海賊だぞ!?」
「(笑)」
「ケイ、チギリの方が良いよ。ボク、それ好きだよ?」
「禊子は本当可愛いなぁー。」
稔は苦笑いしながらロッカー室に入る。
「あ、怨さん。お疲れ様です。」
「…あぁ。」
稔の横で怨が着替える。
(怨さん、良い体してるよな…。)
殺欺が何かを感じる。
「ん、今みのっちが変な事考えてる。」
稔は制服に着替える。
「稔、グラスを磨いておいてくれ。」
「は、はい!」
怨は先に部屋を出る。
「このバー経営して、何年になるっけ?」
「10年。」
「結構経つねー。」
六人がだべる。
「みのっちはここでバイトして2年かー。早いね。」
「最初の頃は掃除すらまともにできなかったもんね。」
「ケイ、笑わないでよ…。」
「よく怨に怒られてた!」
「禊子ちゃんまで…。」
「おい、お前ら。そろそろ開店するぞ。」
「ハーイ。」
六人が散らばる。
「働きたくねぇ…。」
カウンターにまだいた人間が一人。
「護、働け。」
「えー、嫌だぁ。酔っぱらった人間の相手なんて嫌だ…。キャバクラかよ。」
「もー、護!」
殺欺が駆け寄る。
「ほら、あんた身長高いんだから。アレどうにかして。」
「んー。脚立使えばいい。」
「もう…。」
殺欺が護のベストの下に手を入れる。
「うぁッ…!?」
「ちょ、変な声出さないでよ。」
殺欺はもぞもぞ手を動かしながら笑う。
「ちょ、殺欺…やめて…。」
「じゃあ働く?」
護は涙目でうなずく。
「はい、じゃあお願いね。オニーサン。」
殺欺は両手をあげる。
護はすれ違いざまに殺欺の腹を殴る。
「おぅふっ!」
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作者名:聖 永遠/作者 字 | 作成日時:2016年5月1日 4時