【完結】書店員と恋１ (ページ44)

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カーテンの隙間から差し込む光にふと目が覚めた。

手を伸ばしてスマホを確認すると、朝の7時。早起きしすぎたなあ…そう思うと同時に、感じたのはなぜか重量感で。

「ん……？」

布団をめくって確認してみれば、腰に回された腕。…ジェシー、勝手に潜り込んだな。

身動きをとることもできず、後ろでスヤスヤ寝息を立てる彼にひとつため息が漏れた。
水を飲みに行きたいけれど、無理やり抜け出そうとすればきっと彼は起きてしまうだろう。

…今日は、昼までベッドかなあ。

起きたい。…けれどまあ、たまにはいいか、なんて。ポスン、と頭を枕に戻した私は、大概彼に甘いのかもしれない。

少しだけスマホでニュースをチェックしてから画面を落とせば、彼の寝息が規則正しい子守唄に変わって。二度寝という魔の手に誘われるように、眠りに落ちてしまった。

そうして次に目を覚ましたのは、10時を少し回ったところだった。
後ろを軽く振り向けば、未だに目を閉じる彼がいて。…どれだけ寝るつもりなんだろう。

いい加減私は起きようと、腰に回されたままの手をゆっくり持ち上げて、

…………持ち上……が、らない……

抜け出そうとすればするほど、腕にグッと力が入れられる感覚。こいつ…

「…起きてんでしょ」
「…寝てる～」
「ちょっと。離して」
「えー、やだ」
「怒るよ」
「もっとやだ～～」

首元に、ぐりぐりと頭を擦り付けられる。彼の柔らかい髪がふわりと首を撫で、どうにもくすぐったい。「ほら早く」そう急かせば、「んんん」と嫌そうな唸りをあげた後にぎゅう、と腰に回された腕に力が入った。

首元で、チュ、とリップ音がひとつ。