【完結】書店員と恋１ (ページ35)

今日:140 hit、昨日:65 hit、合計:176,289 hit

35 ページ35

「そろそろ帰る準備しようか～」

店長が告げた一言で、各々が片づけを始めて。車に乗り込んで解散したときには、既に21時を回っていた。
集合したのはお昼過ぎだったから…1日仕事したくらい、みんなと一緒にいたらしい。

家に入ればどっと疲れが襲ってきて、思わずため息が漏れる。楽しかったけど……明日の仕事が少し憂鬱に感じてしまうのは、仕方ないと思う。

とりあえずお風呂に入ろうと、浴室へ向かった。

蛇口をひねり着替えを取り出していると、ピコン、とスマホが音を立てる。

『今日は、ありがとうございました』

見てみれば通知には「松村北斗」の文字があって。
彼からの律義な連絡に、少しだけ心が浮わつく。

『こちらこそ、ありがとうございました』
『疲れましたね』
『本当に。明日が少し憂鬱です』
『俺も同じこと思ってました(笑)』

……同じことを思っている、という言葉は、こんなに嬉しいものだったっけ。

『今日は本読まないで、ゆっくり寝て下さいね』
『そっくりそのままAさんに返しますよ？』
『え。返ってきちゃった……』
『ゆっくり寝て下さい(笑)』

そうして『おやすみなさい』のメッセージが続いて。お風呂に入ったわけでもないのに、なぜだかじんわりと温かい。

『おやすみなさい』

最後にスタンプを一つ続けて、スマホをスタンドに立てかけた。きっと今日は、よく眠れるだろう。