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── 結局、ベッドから抜け出してソファに戻った。
お酒も、飲んでたし。
少し頭が冴えちゃっただけ、なんだ。
けれど、自分のタオルケットだけ抱えてソファに座ったとき。…ほっとした。
置きっぱなしにしていたイヤホンを耳に入れて、ソファに横になる。スマホで、適当な映画を流す。
星2の評価がつけられていたそれは、今の自分にはピッタリだと思った。
……気づけば、日が昇っていた。
ハッとして時計を見たら、短針は10を指していた。いつ寝たかも覚えてないし、狭いところで寝たせいで体は痛いし、最悪…と頭を持ち上げる。
部屋を見渡しても、北斗はいなかった。
まだ寝てるのかな、珍しいな、なんて寝室を覗く。と、既にカーテンは開かれて、ベッドはきれいに整えられていた。北斗の姿はない。
…どこ行ったんだろう。
出かけるって、言ってたっけ。
家のことを一通り済ませても、まだお昼すぎ。軽くご飯を食べて、寝落ちした映画を見直してもまだ夕方にもならない。少しだけお昼寝をして、起きた頃に本を読んで。そうしてようやく、短針が6を指した。
北斗から連絡はない。
…ご飯、食べてくるのかな。
作らなくても、いいのかな。
彼のことを待ってることが、だんだんと辛くなっていった。いつ帰ってくるかな。お風呂冷めちゃうな。…事故とか、遭ってないよね？そうして、
……今、誰といるんだろう、って。
そんなことばかりが頭の中をぐるぐると回る。北斗のことをただ信じることができなくなってる自分が、ショックだった。…早く、帰ってきてほしい。でも。……帰ってこないでほしい。
テレビだけつけてボーッとしていたら、ガチャガチャと鍵が回る音が聞こえた。リビングのドアが開く。
「おかえり」
何も聞かずに。明るく聞こえるように。北斗に声をかけた。
「…ただいま。まだ起きてたんだ」
「まだって…22時半だよ？(笑)」
「ああ…」
ちら、と時計を見てすぐに視線をそらす北斗。手を洗いに行って、着替えるのに寝室に向かって。北斗が隣を通ったとき、……心臓が凍りつくって、こういうことを言うんだなって。やけに冷静に思った。
花が咲いたような、柔らかい香りがした。
嗅いだ人を牽制するような、可愛らしい女のひとの、香りが。
……限界だ、って、思った。
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ぬめ娘(プロフ) - 初めまして🙇♀️みそ様の作品がとても大好きなので思わずコメントさせて頂きました✨本当に文章や言葉選びが素敵でどの作品も2、3周拝見いたしました🥰これからも勝手ながら影から応援させていただきます。 (2022年6月27日 23時) (
レス) id: 9b0e8af300 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそ
| 作成日時：2022年6月4日 21時
