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「え、いいんすか？ほんとに？」
「逆に、私でよければ…」
「え、全然！むしろめっちゃ嬉しいです！」
ニコニコと、口角を綺麗に上げて笑う。そんな顔につられて、ふ、と口元が緩む。
…本当にこの人、嬉しそうに言うな。よっぽど暇だったんだろうな、って。
「おれ、森本って…あ、や、慎太郎って呼んでください」
「慎太郎さん？」
「うわ、やだ、せめて "くん" ……や、呼び捨てでも俺は全然、」
「…慎太郎くん、ね(笑)」
「…っす(笑) …えっと、おねーさんは…」
「あ、Aです。…A、です」
「Aちゃん、ね？」
彼の、…慎太郎くんの、人柄なんだろうか。
思いがけず始まった会話は、テンポよく続く。
「タメ口、おっけー？」
「あ、うん。大丈夫だよ」
「……歳、とかって」
「あー、…25に、なりました(笑)」
「え、一個上だ！…タメ口、」
「え(笑) いいよ、大丈夫(笑)」
「よかった(笑)」
座っててもわかる、私よりも高い身長。広い肩幅。けれど、話してる姿はだんだんと、なんだかかわいらしく見えてきた。…犬？みたいな。しっかりしてて、でも柔らかそうな黒髪が、ふわりと揺れる。
「よく来るの？ライブ」
「ううん。このバンドくらいかな」
「あら、そうなんだ？」
「慎太郎くんは？」
「俺はちょいちょい。ライブハウスとかも行くし…」
「ライブハウス！行ったことないなあ」
「え、マジで？」
初対面の人との会話って、もっとこう…探り合い？みたいな感じじゃなかったっけ。そんな疑問が一瞬だけ頭をかすめて、通り過ぎる。
…なんだろうこれ。
彼の会話についていくのが、楽しい。
「ライブ終わりって、なーんか焼き鳥食べたくなんだよね」
「んん…ちょっとわかるかも…(笑)」
「でかいやつね。肉が」
「しっかりしたやつね？(笑)」
スマホの画面をつけることもないまま、会話に花が咲いていく。くだらなくて、どうでもいいようなことだけれど、温度がある会話。
そんなふうに話していたら、不意に、開演を知らせるアナウンスが会場に流れた。思わず、「え」と声が漏れる。…だって、さっきまでまだ、30分近くあったはずなのに。
「もう始まるね」と隣から聞こえた声に、顔を向ける。
「…あっという間すぎて、びっくりした」
「あら、それは嬉しい。…し、俺もそう思ってる(笑)」
まだ余裕で話せるなあ、と慎太郎くんが漏らした声に頷く。
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みそ(プロフ) - ひよりさん» ありがとうございます。楽しんでいただけたならよかったです🙇♀️💚 (2022年5月31日 13時) (
レス) id: 4d278d62fc (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - めちゃめちゃにきゅんきゅんさせて貰いました🤍最高でした😍 (2022年5月29日 23時) (レス) @page24 id: 67c39a707a (このIDを非表示/違反報告)
miso(プロフ) - UwUさん» すいません、変換できないようになっていたので直しました💦教えて下さってありがとうございます…！！！！ (2022年4月12日 21時) (レス) id: ecadc79423 (このIDを非表示/違反報告)
UwU - 25の松村さんのセリフ「元の名字」ってどういうことでしょうか？？ (2022年4月12日 0時) (レス) @page25 id: aca0757d01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそ
| 作成日時：2022年1月15日 22時
