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「ここって」
「…はい？」
「……水？とか。飲んでもいいんすかね？」
「水？…いいと思いますけど」
「あ、ほんとに？よかった(笑)」
そう言うと、椅子の下に置いたカバンからいそいそとペットボトルを取り出す。なんとなくその様子を見てたら、口をつけてから一気に4分の1くらいが減って、今度は私の方が目を丸くした。…喉、乾いてたのかな。
キャップを嵌めてカバンに戻したところで、その人がまた口を開いた。
「…時間、経つの遅くないっすか？」
「え？……ああ、そう…ですね？」
あ、まだ続くんだ、会話。そう思って。
ものすごく、疑問みたいな言葉尻。
「待ちくたびれるっすよね(笑)」
早めに入ったのはこっちの方なんすけど、って彼が、目尻を下げて言う。じゃあ大人しく待っとけよって話っすけど…待ちきれないじゃないですか(笑) そう、さらに言葉が続く。
「え、っと……ひとり…ですか？お姉さん」
「あ、そー…です、ね」
「うわ、よかった！俺もなんすよ！」
瞬間、ぱ、と広がった笑顔に、目を瞬かせた。
……なん、なんだろうか、この人。
「なんかもう、スマホ触るのにも限界きてて！(笑)」白い歯を少しだけ見せながら、困ったように眉を下げて笑う。「めっちゃ暇で！」念押しのように、言う。
「あのー、だから、…よかったら、話し相手とか…」
「……」
返事をする代わりに、頭の中で「そういうことか」と納得した。待ち時間が暇で、話し相手を。…なるほどね。
けれど、その数秒でその人は、私の無言を "拒否" と捉えたみたいだった。慌てたように手のひらをこちらに見せて振る。
「や、嫌だったら全然、断ってくれていいんですけど！」
「あ、……いや、別に、」
「別に？」
「……嫌、ってわけでは…」
尻すぼみに消えていく言葉。
この人に対して、不信感を丸出しにしたのは私の方だった。……どの口が言ってんだ、と思う。
けれど。"羨ましい" と、さっき…女の子たちに対して思ったことは、まだ心の端に居座っていた。「私にそんなこと言ってくれる人がいるんだ」とか、「嬉しい」とか、思ったりもして。
だから、ってわけじゃないけど。
「その……私も、時間持て余してましたし」
もごもごと、言い訳してるみたいな気分になった。なんとなく気まずくて、恐る恐る、彼の目を窺い見る。と、
「マジっすか！」
彼は、目をキラキラとさせていた。
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みそ(プロフ) - ひよりさん» ありがとうございます。楽しんでいただけたならよかったです🙇♀️💚 (2022年5月31日 13時) (
レス) id: 4d278d62fc (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - めちゃめちゃにきゅんきゅんさせて貰いました🤍最高でした😍 (2022年5月29日 23時) (レス) @page24 id: 67c39a707a (このIDを非表示/違反報告)
miso(プロフ) - UwUさん» すいません、変換できないようになっていたので直しました💦教えて下さってありがとうございます…！！！！ (2022年4月12日 21時) (レス) id: ecadc79423 (このIDを非表示/違反報告)
UwU - 25の松村さんのセリフ「元の名字」ってどういうことでしょうか？？ (2022年4月12日 0時) (レス) @page25 id: aca0757d01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みそ
| 作成日時：2022年1月15日 22時
