6 ＊JJ＊ ページ34
吸い込まれそうな、真っすぐな瞳に…
JJ「…オレね、すげー貧乏だったの。子供の頃」
「……」
JJ「本当に腹が減るって経験、なかなかないだろ？でも、そういう感じだった」
「……」
JJ「君が昨日の朝塩むすび作ってくれたじゃん？」
「…はい」
JJ「子供ん時さ、腹空かせて倒れてたオレを保護してくれた施設の人がさ、塩むすび作ってくれたんだ。こんなおっきいの。オレ、狂ったように食べて……すげー美味かった」
「……」
JJ「必死で働きながら勉強して、死に物狂いで起業して働いて、今はそこそこ会社も大きくなって業績もよくて、高級マンションに住んで財布には現金もカードもあって
人も寄ってきて、欲しいものは何でも買えて、死ぬほど腹が減る経験なんてしなくなって」
「……」
JJ「それでも不安…なのかもしれない。働かないと、またあの地獄に舞い戻るんじゃないかって…」
「……」
JJ「もちろん責任もあるよ。社員たちとその家族の生活を、人生を、背負ってるわけだから」
「……」
彼女はオレを見て、黙ったまま聞いている。
誰にも言ったことないこんな話を、なぜオレはしているのだろうか。
心の奥にしまってる想いを……
JJ「でもね、金持てるようになって、高級料理が似合う人間になってさ、美味くて高価なものたくさん食べてきたけど、あん時おばちゃんが作ってくれた塩むすび以上に美味しいって思った食い物、ないんだ」
「……」
JJ「やっとそれ上の味に出会えたのかも」
「…え？」
JJ「Aの塩むすび、最高に美味かった」
「…ありがとうございます」
JJ「君のおばあちゃんの言う通りだね(笑)」
「ジェジュンさん」
JJ「ん？」
君は向かいの席から立ち上がってオレの横に立ち
ふわっと、オレを包み込むように抱きしめて…
え…
「とってもお腹、空いてたんですね」
……
「頑張りすぎるくらい頑張って、生きてきたんですね」
……
どうして、だろう。
目が、胸が、息が……
「明日の朝ごはん、塩むすびにします？」
JJ「…うん」
すっとオレから離れて
にこっと笑って、自分の席に戻る。
「私、明日世界が終わって命がなくなるってわかったら、最後のご飯は塩むすびです！」
JJ「…オレも、そうかも」
「ふふっ、お百姓さんに感謝ですね」
JJ「うん(笑)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 541人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東方神起」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リオ(プロフ) - yucapさん» yucapちゃん、気になる終わり方しちゃいました(^▽^;)更新したので、よかったら読んで下さいね。もう書き上げてるので、こまめに早めに更新します！ (2016年10月23日 10時) (
レス) id: a0ab13b7a6 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - ここあさん» ここあさん、多分ﾋﾛｲﾝちゃんは覚えていないと嘘をついたんですね…ジェジュンのために。そして運命の日が来ました！更新したので、ぜひ読んで下さいね☆彡 (2016年10月23日 10時) (レス) id: a0ab13b7a6 (このIDを非表示/違反報告)
yucap(プロフ) - えーーーチョー気になる！！ (2016年10月23日 0時) (レス) id: d9567b625a (このIDを非表示/違反報告)
ここあ(プロフ) - アレ？記憶喪失じゃなかった(＞＜) ジェジュくんを助けに来たのかなぁ。ヒロインちゃんが無事でありますように☆次章も楽しみにしています(^O^) (2016年10月22日 22時) (レス) id: c74f69ea9f (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - mikiさん» mikiさん、仮説、立てちゃいますよね？多分…だいたいあってるかな？(^-^;でもちょっとぼんやりなんですけど←え。次章で答え合わせして下さい(^O^)楽しみにしてくださって、ありがとうございます♪ (2016年10月22日 16時) (レス) id: a0ab13b7a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リオ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/6y0u0y2u?s=09
作成日時：2016年9月29日 10時
