episode38 ページ40
『に、兄さ、ん……』
瞑っていた目を開くと目の前で私の両肩を掴んでいる兄さんがいた
そして何事も無かったように私に話しかける
兄「遅くなってすまねぇ、今からそれ切ってやる」
私の目を見ながら「そのままにしとけよ」と言って刀で霊吸虫を切る
喉の圧迫感は消えたが、
『がっ、はぁ、はぁ、ありがとう兄さん……?』
突然、目の前がスローモーションになって、ゆっくりと兄さんが私の方へ倒れるのが見えた
私の思考は停止し、頭が真っ白になる
だがすぐに現実に戻れたのは、兄さんの後頭部、背中、両足の裏側に何本もの刀が突き刺さっていたからだった
私は急いで兄さんを呼びかける
『兄さんっ!ねぇ、兄さんってば!』
すると「うっ……」と痛むような声がきこえた
『まだ、息がある。大丈夫、落ち着け……』
ちぎれかけた冷静さを保ちつつ、兄さんの負担にならないようそっと体を横に倒した
『すぐに終わらせるから、待ってて』
私はボロボロになった頭と口元を覆う黒い布を剥ぎ取り、兄さんを優しく撫で、微笑む
冷たい夜風が短い純白の髪をなびかせる
ゆっくりと暗殺部隊の方を向き二、三歩前に出た
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夏夜(プロフ) - 明里香さん» 直ぐに訂正させてもらいました!まだ誤字脱字等ありましたら、またコメントして下さると幸いです!m(*_ _)m (8月16日 11時) (レス) id: 4c41f768c0 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 41話、受け継次ぐじゃなくて、受け継ぐです。 (8月9日 1時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏夜 | 作成日時:2023年7月23日 1時