episode27 ページ29
屋敷に着くとお付のものが出迎えてくれる
兄さんだけに
人1「お帰りなさいませ、夜坊ちゃん。ご夕飯の準備は出来ております」
兄「……Aの分は?」
兄さんの握る手が強くなる
人1「出来損ないの分などあるはずがありません」
"出来損ない"
私の事を大人達はみんなそう呼んだ
私は何も言い返すことも出来ずに兄さんの手を振り払って、自分の部屋に入った
(兄さん、今頃美味しいご飯食べてるかなぁ……)
開いている窓から夜空をみる
黒い空に三日月がかかっており、その明るさを埋めるようにキラキラと光る星が散りばめられていた
『きれい……』
ぽたっ、ぽたっ、と手の甲に水滴が落ちてきた
『あ、あれ……?な、なんで涙が……』
必死に手や袖で涙を拭い
『とまれ、とまれ、涙なんか止まっちゃえ……』
言葉とは反対にどんどん溢れ出す涙。
ついに小さいしゃっくりを上げながら泣いた
『っ……うっ、っ〜〜、……』
頭では騙せていても、心までは騙すことは出来なかった
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夏夜(プロフ) - 明里香さん» 直ぐに訂正させてもらいました!まだ誤字脱字等ありましたら、またコメントして下さると幸いです!m(*_ _)m (8月16日 11時) (レス) id: 4c41f768c0 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 41話、受け継次ぐじゃなくて、受け継ぐです。 (8月9日 1時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏夜 | 作成日時:2023年7月23日 1時