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「ねえゾム様！あのリンゴ飴？食べてみたいですわ！」
「ゾム様ゾム様！見て下さいまし！あんなに沢山のボールを落とさないなんて……！大道芸人とはなんて器用なのでしょう！」
「きゃ！火を、火を口にっ！？……度胸もあるのですね、素晴らしいですわ」
「んふふ、食べ歩きなんて初めてですわ。席に着いて食べる料理とはまた違った美味しさがあるのですね」
「ゾム様、あれは本で見た射的ですの！？ホントにあるのね……ねえゾム様、私アレやってみたいですわ！」
「……俺あんなに楽しんでるエリー見るの初めてやわ。んで、何でショッピ君がここにおるん」
「仕事を早々に終わらせて部下に引き継いできました。グルッペンさんの許可もあります」
「あ、そう……」
(守りたいあの笑顔)
射的の景品を、培った射撃訓練の技術を生かし次々と落としていく少女を、ゾムといつの間にかいたショッピは(カメラ持参で)見守っていた。
本来ならショッピはパーティーに少し参加してから城の警備に戻るはずなのだが、それを部下に引き継いできたという。恐らくある程度の予防線は貼ってきたのだろう。じゃなきゃグルッペンの許可は降りない。
もうこれ以上は何も言うまいと、口を噤んだゾムであった。英断。
「あら？ショッピ様はいつおいでに？」
「ついさっきです。にしても沢山取れましたね。日々の訓練が生かされてる証拠ですよ」
「鬱様の指導のおかげですわ。お一つどうぞ。ゾム様にも」
取った景品の中から、一つをショッピへ手渡した。気だるげな目をした紫のコアラのキーホルダーだ。ゾムには緑色をしたカメレオンのキーホルダーを。どれもどこか二人に似ている。
「ありがとうございます。所で、その一際大きな邪悪な顔をしたぬいぐるみは……？」
「邪悪だなんて。とても可愛らしいでしょう？」
(めっっちゃ既視感あるんやけどそのぬいぐるみ)
(俺もですゾムさん)
そして一際存在感を主張するそれは、金色の髪に鋭い目つきをした、饅頭の様なもちっとした顔のぬいぐるみだった。口角が歪に上がる様は、邪悪と言って差し支えない。
「ゆっぐると言うそうですの。ふふ、叔父様に似て凛々しい顔つきですわ」
(凛々しい……？邪悪の間違いでは……？？)
(いや邪悪の間違いやろ)
敵のみならず仲間内からも悪魔と称されるあの笑顔が、凛々しいの一言で片付くとか強い。
少女の将来に不安を抱いた二人であった。
(流石グルッペンの親戚やな)
(禿同)
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とうふ(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます！ノロマな更新ですが、これからも応援よろしくお願いします (2020年4月17日 19時) (
レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 面白くて一気に読んでしまいました！笑 とても面白く想像しやすかったので、楽しく読めました！ 更新頑張ってください。応援してます！ (2020年4月17日 7時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)
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