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天蓋付きのベッドに、一人の少女が眠っている。窓から差す月光が少女を照らすその光景は、まるで一枚の絵画のようだった。
そこに一つの人影が、月光を遮るように現れた。
目深くフードを被った男は、ベッドで寝ている少女に手を伸ばす。その小さな体を横抱きにし、窓の外から飛び降りた。
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿
「き、緊急連絡！エルリカ様の姿が、客室から消えました！！」
扉を乱雑に開いて入ってきた一般兵の報告に、オスマンとコネシマは一瞬互いの目を合せた。
しかし、彼らに慌てた様子はなく、コネシマは使用人の腹部に鋭い蹴りを入れ、オスマンは料理人の急所に容赦なく金的をかました。
敵は痛みに悶えながら距離をとり、此方の様子を伺っている。急所を殴打された料理人は特に痛そうだった。
「オスマンお前、容赦無さすぎやろ……金的て……」
青ざめた表情で言うコネシマ。
「あんな奴の遺伝子なんて要らんやろ」
オスマンはさらりとそう言い放った。惨い。
「って、あれ？ローベック伯爵は……」
コネシマが引いてるのを横目に、ふとオスマンは敵から視線を外し、いつの間にか居なくなっていたローベックを探そうと辺りに目を遣った。
その刹那──
「オスマン！！」
コネシマの大声に、オスマンは咄嗟に後ろを振り向く。殺意に満ちた瞳と鋭い刃物が、オスマンの背中に突き立てられた。
＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
木々が密集する森の中。真面な光源が何一つない暗闇に薄らと浮かび上がるのは、緑のパーカーを着た男の姿と、男が大事そうに抱える少女の姿。
「あ、オスマン？こっちは終わったで。そっちは？」
《休憩中〜》
「つまりは終わったんやな」
《眠り姫の様子は？》
「熟睡。これ暫く起きんのちゃう？相当強いの盛られたみたいやけど」
《みたいやね。はよペ神に見せてやらな》
耳に手を当てて話す男の足元で、うごうごと蠢く何かが、男から距離を取ろうと這いずる。しかし、男の目には暗視スコープでも着いているのかと疑いたくなるほど正確に、蠢く物体の頭と思しき場所に足を置いた。
「ぅっ」と小さく呻く物体は、よくよく見れば人であった。自分と似たような緑のパーカーを着たその男を、無感情にペリドットの瞳に映す。
《おーい、ゾム？》
「あぁ、何でもないで。すぐそっちに向かうわ」
ゾムがその場から去った後、月の光が差し込み辺りを照らす。
そこには、首から夥しい血を流す肉袋が散乱していた。
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とうふ(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます！ノロマな更新ですが、これからも応援よろしくお願いします (2020年4月17日 19時) (
レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 面白くて一気に読んでしまいました！笑 とても面白く想像しやすかったので、楽しく読めました！ 更新頑張ってください。応援してます！ (2020年4月17日 7時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)
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