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Ａ彼は銃の置かれてある机に寄り掛かり、持っている銃の弾数を確認しながら口を開いた。
「人って銃で撃たれた場合、どんな風に死ぬか知っとる？あぁ勿論リアルでな」
Ａ「……いいえ」と応える少女に彼は更に笑みを深めた。
「まあ死ぬ時間はその銃の種類とか当たり所で変わるんやけど、まあ当たり所が悪ければ大抵は3分で死ぬ。映画みたいに派手な血飛沫なんてあげへんし後ろに飛んだりもしない」
「ただ湧き水みたいに血がどんどん溢れて、一瞬で辺りは血の海になる。熱くて痛くて、命が削られていく感覚だけが如実に感じられるんや。銃弾は肉を抉り骨を砕いて進み、即死はせずとも砕かれた骨の破片が血管に刺さって苦しみながら死ぬ事になる」
「稀に頭に撃たれて尚生き残る奴もおるけど、大抵そういう奴は前の生活を送れんくなる」
「銃で撃たれれば苦しまず死ねるなんて、とんだ嘘っぱち。寧ろ正反対なソレを、俺達はよく知っていながら扱ってる。ナイフよりは命を刈り取っている実感はないし、近距離で撃たへん限りその様子を見ることも無い」
Ａそこで言葉を止めた彼は、弄っていた銃を「これ持ってみ」と言って少女の白く小さな手に、鈍色の拳銃と鉛を渡した。それは余りに似つかわしくない光景だった。
「意外とずっしりしているのですね。けど、弾は比較的軽い」
「まあ重いよなぁ、けど、”軽いやろ”それ」
「え？」
Ａ言葉の真意が分からず疑問符と共に顔を上げると、ほんの一瞬だけ、目の前の彼が辛そうに顔を歪めているように見えた。けれど次に瞬きした時にはへらりとした笑みを浮かべており、結局何を言いたかったのか、少女には分からなかった。
Ａその後は銃の種類や扱えるようにする為の筋トレが必要な事など、兎に角握る前準備として説明された。筋トレでは別の人が着くと言われ、そこで彼との講義は終わった。
一人の男が座っていた。
その男の手には鈍く光る黒色の拳銃。
紫煙を燻らす男は、ポツリと呟いた。
「やっぱり、俺には重くてしゃあないわ……」
小さな少女を思い浮かべて、いずれ自分と同じように重く感じる日が来るのだろうかと思案した。
そんな日が来ないことを祈りながら。
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とうふ(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます！ノロマな更新ですが、これからも応援よろしくお願いします (2020年4月17日 19時) (
レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 面白くて一気に読んでしまいました！笑 とても面白く想像しやすかったので、楽しく読めました！ 更新頑張ってください。応援してます！ (2020年4月17日 7時) (レス) id: 324236a98a (このIDを非表示/違反報告)
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