加州 ページ9
9.加州
空に光る輪が現れるのを見た時、俺は悟った。
主が来るのだと。
案の定、轟音と光と、それから芥子の匂いを纏って主が俺たちの真ん中に降り立った。
「あんたらが苦戦するなんてらしくないじゃん」
目が合う。ひゅっと乾いた空気が喉を通る。
見ないで主。こんなに血で汚れた可愛くない俺を、見ないで主。
「さ、ちゃっちゃと片付けるよ」
ぶわりと桜が舞って、新たな6振りが援軍として現れた。
そこからは、あれよあれよという間に終わって。
改めて、主が俺を見た。
「清光、おいで」
「やだ」
そでをぎゅっと握って、一歩退る。
と、同じ隊の安定と乱が俺を両側から掴んで主の前におしだした。
「ちょっ…!」
「清光」
びくりと肩が震える。主は無表情の時が一番こわい。
「ごめん」
「…え、」
「検非違使の感知に時間がかかって援軍が遅れた。清光も、安定も、乱も、正国も、獅子王も、今剣も、よく耐えてくれた。ありがとう」
「違う主、俺が…!」
「うるさい」
ぴしゃりと突っぱねて、でも主は俺の髪を優しく撫でた。
「よく頑張った清光。さすが私の初期刀」
あぁ、もう。
ほんとずるい。
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切れかけミサンガ(プロフ) - 孤縷さん» うわっ本当だバカがバレてますね…ご指摘ありがとうございます、他にも何かあれば仰ってください! (2018年1月29日 19時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
孤縷 - あの…15ページで、1日に10本なら1ヵ月では300本ではないでしょうか。一年でも3600本になりますし。なんか偉そうにすみません。続編でも頑張ってください! (2018年1月29日 16時) (レス) id: 6e76e80232 (このIDを非表示/違反報告)
切れかけミサンガ(プロフ) - *posu*polejumpさん» 有難うございます!少しだけお待ちください_(:3 」∠)_ (2018年1月29日 6時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
*posu*polejump(プロフ) - 続編頑張ってください!! (2018年1月28日 18時) (レス) id: 43ac6ebefc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:切れかけミサンガ | 作成日時:2017年12月27日 11時