主君 ページ7
7.主君
「兼定、昨日の出陣の情報を精査してこっちに回して」
「兼定、刀装20こ。大至急」
「兼定、明日の当番を掲示板に出しといて」
「ライター切れた…兼定、火」
「兼定」
「兼定」
「くそ…何なんだあの女…!」
近侍になって数日。俺のいらだちは溜まる一方だ。
今までは順番でやってたらしいのに、よりにもよって何で俺が…
嫌がらせとしか思えねぇ。俺をこき使って楽しんでやがる。
「その手に乗るかよ」
冷静さを保つこと。そうだ、俺はかっこよくて強い和泉守兼定だ。
俺は深呼吸をして頼まれていた大量の書物を抱えて審神者部屋に入った。
「おい、持ってきたぞ」
「ありがと。そこ置いといて」
審神者はほろぐらむとかいう光る板から目を離しもせずに言った。部屋の中には芥子の匂いが充満している。
「今日はもう上がっていいよ。お疲れさま」
そっちの仕事は終わる気配がないのに、俺に仕事を終われとはどういうことだ。
そういえばこの三日、審神者は風呂と食事以外は部屋から出ていない。
…相当忙しいらしい。
「…本当にいいのか」
俺が尋ねると、審神者は初めて手を止めてこっちを見た。
まっすぐな眼差しは、あの人とそっくりだ。
「何?そんなに私とこの泥水みたいな部屋で一緒にいたいの?」
「なっ…んなわけねぇだろ!」
俺が大声を出すと、審神者はうるさそうにしっしっと手を振った。
腹が立ったので、襖を思いっきり閉めて廊下に出る。襖に描かれた猫が非難がましい鳴き声を上げたが無視した。
「泥水みたいな部屋」、その中で1人煙草をくわえて光る板を叩くあの女の姿が浮かぶ。
「…くそ。何なんだ」
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切れかけミサンガ(プロフ) - 孤縷さん» うわっ本当だバカがバレてますね…ご指摘ありがとうございます、他にも何かあれば仰ってください! (2018年1月29日 19時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
孤縷 - あの…15ページで、1日に10本なら1ヵ月では300本ではないでしょうか。一年でも3600本になりますし。なんか偉そうにすみません。続編でも頑張ってください! (2018年1月29日 16時) (レス) id: 6e76e80232 (このIDを非表示/違反報告)
切れかけミサンガ(プロフ) - *posu*polejumpさん» 有難うございます!少しだけお待ちください_(:3 」∠)_ (2018年1月29日 6時) (レス) id: 7b9e52a361 (このIDを非表示/違反報告)
*posu*polejump(プロフ) - 続編頑張ってください!! (2018年1月28日 18時) (レス) id: 43ac6ebefc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:切れかけミサンガ | 作成日時:2017年12月27日 11時