153話 ページ6
挨拶が終わり、解散しようとするが遠山はそのまま固まっていた。
Aは戻りかけていた足を止めて振り返った。
「あり……ワイは?ワイまだコシマエと戦ってへんでぇ。」
「金太郎さん…」
「金ちゃんスマンばいね、負けや!」
「嘘や〜〜!第5試合、ワイとコシマエの試合残ってるやろ?」
「終いや。」
白石がそう言うと遠山はぐずりだした。
「嫌や〜〜〜〜っ!ワイはやるでぇ!!Aにワイの試合を観てもらうんや〜!」
「き、金ちゃん…」
「コシマエ勝負やーーっ!!」
越前は一度遠山の方を見て、立ち止まった。
「え、越前っ!明日は決勝だ!無意味な試合で怪我でもしたら……」
「うぃーッス。」
〔あー待ちや!逃げるんかぁ?やろうなっなっ!〕という遠山の声に耳を向けず、歩き出した。
「や、やってやれよ!!1球でいいからさ!なぁ!」
声のした方を見るとそこにはサイクリングヘルメットを被った男がいた。
「この会場まで富士山から走って来たんだぜぇ!!なぁ!ホント1球だけでいいから勝負してやって!!なぁ!」
その男が頭を下げるとAは越前に向き直った。
「……リョーマくん。」
越前は息をはくと〔別に……1球だけならいいけど。〕と告げた。
「コシマエおおきにっ!ほなA、ちゃんと見ててや〜〜!!」
青学と四天宝寺両校が真剣な顔でコートに入った二人を見た。
「シングルス1が1球勝負でまだやるんだってよ?!」
「見ものだなコリャ。よっしゃやれやれーっ!!」
今までの中で一番の歓声が起きる。
「コシマエ〜〜っいつでもいいでぇ!」
「……んじゃ遠慮なく。」
越前はそう言うとツイストサーブを放った。
遠山はデタラメな動きでそれを返し、越前は一度固まったが無我の境地を出して返した。
「おおーっ!流石コシマエや!!あれ拾うたんかスゴい…」
遠山と越前。
デタラメな動きでボールを返す遠山に越前はどんどん無我の境地でたくさんの技をだす。
遠山はそんな越前に通常状態のままついていってる。
「凄い、金ちゃん…無我の境地のリョーマくんとほぼ互角じゃん…!!」
「ってことは無我の境地で急激に体力を消耗する前におチビは早いトコ決めないと!!」
「金太郎さんの凄いトコはあれで自然体っちゅーとこや。そして無尽蔵の体力、野性的なカン…」
「ウチらの誰よりも強いで。」
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みかん - 更新頑張ってくださいテニラビやってますぜひ申請お願いしますいいねもおくりますみかんですねんです (2019年9月6日 2時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メリルリンチ | 作成日時:2018年4月19日 23時