検索窓
今日:17 hit、昨日:2 hit、合計:32,224 hit

192話 ページ43

もう少しでAたちの番になる。

Aが深呼吸をしていると跡部が背中を叩いた。

「そんなに緊張すんじゃねーよ。」

〔俺様とあんなに練習したんだ〕と跡部は微笑みながら言った。

「はい…!」




美女と野獣。

あの話に近づくために二人で何度も話し合いをした。

悔いは残したくない。

二人とも口を揃えてそう言った。

不二は少し楽しくなさそうにしていたが、Aの素直な気持ちを聞くと渋々と了承してくれた。

それだけ頑張ったのだ。

失敗は許されない。

ステージの幕が上がると跡部一人のステージのため観客から黄色い声援が上がった。

滑り出しは上々だ。


「父を解放してください!!」

「あーん?お前が身代わりになるっていうのか?!」

「なるわ!!それで解放されるのなら!!」


「このドレス…あなたが用意したの?」

「そうだが…まぁまぁじゃねーの。」

「あなたみたいな野獣に誉められてもいい気持ちはしないわ。」

「なんだとテメェ!!」


「ダンスを…踊らないか?」

「私でよければ、喜んで。」

「お前がいいんだ。」

「そんな甘い言葉には騙されないわ。」


「やっぱり俺のこんな姿じゃ…彼女には怪物にしか見えない…絶望だ……」

「どうして彼には優しくできないのかしら…素直になりたい…!!」


「ねぇ、どうして…助けてくれたの?狼に立ち向かうなんて……あなたバカなの?!」

「それは……ベル。君のことが…好きだからさ。」


「あいつに手を出すんじゃねぇ!!」

「父さん、私をあの城に返して!!あの人が危ないの…私はあの人のそばにいたいの!!」


「目を開けて…私も、あなたが好きなの…」

会場全体から感動しているのがひしひしと伝わる。

「目を…覚まして…」

「………ベル、お前の真実の愛のお陰で俺様は元の姿に戻れた。今でも変わらずお前を愛している。俺様と一緒になってくれないか…?」

「私も同じ気持ちよ…あなたと共にいたいわ。」


見せ場できちんと決めることができて、最後も綺麗にもっていくことができた。

「なかなかよかったじゃねぇかベル。」

「野獣さんもなかなかのかっこよさでしたよ。」

二人で満足しながら袖に下がると不二が微笑みながら立っていた。

「周助さん!!」

「A、凄く綺麗だった。」

「嬉しい…ありがとうございます。」

「僕も行ってくるね。」

不二はそう言うとAの頭を撫でて前に出ていった。

193話→←191話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (12 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
24人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みかん - 更新頑張ってくださいテニラビやってますぜひ申請お願いしますいいねもおくりますみかんですねんです (2019年9月6日 2時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:メリルリンチ | 作成日時:2018年4月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。