【テニスの王子様】続×3・モブCからの卒業 (ページ34)

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１８２話ページ34

ここに来て、幸村が盛り返してきた。

越前が高く飛び上がる。

「な、なんだあの構えはっ!?」

「今こそ青学の柱になれ!越前っ!!」

手塚がそう叫ぶと越前は〔ういっス〕と言い、笑った。

「サムライドライブ!!」

ボールが勢いよくネットのロープに当たり、半分に割れる。

そして幸村のコートに飛ぶ。

「我が立海の3連覇に…死角はない!!」

幸村はそう言うと二つとも返した。

「リョーマくんの新技のサムライドライブを…!」

「半分に裂けたボール二つとも同時に返したぁーっ!?」

「幸村勝たんかーーっ!!」

真田の声が響く。

「リョーマくん!!行けぇーーーーーっ!!」

Aが叫ぶ。

半分のボールが空を舞い、落ちてくる。

二つのボールがひとつになったとに越前はそれを強く打った。

大きな音と共にボールは綺麗に幸村の両隣に落ちる。

会場が静かになる。

「ゲームセットウォンバイ……越前リョーマ6-4!!」

審判がコールをすると一気に大歓声が上がった。

「イェーイ!おチビーッ!!ブラボー!ブラーボ!ブラビアス!!」

「やりやがったなこの野郎ぉ!!」

菊丸、大石、海堂、桃城、河村がコートにいる越前に走って近寄る。

Aはその様子を笑いながら見守る。

「さぁ行こう手塚、Aちゃん……日本一だよ。」

「…あぁ。」

手塚が優しく、誰が見ても笑顔だと分かる顔で答える。

「そうですね。」

不二の言った日本一と言う言葉にAは目頭が熱くなった。

「キミでもそんな風に笑うんだね。手塚。」

「……!ｺﾎﾝ、見なかったことにしてくれ不二。」

「え、結構笑ってませんか?」

「大石ッ!!」

不二とAでクスクスと笑いながら手塚を軽くいじめると3人でコートに入った。

「よし!先輩たちも来たし…越前、胴上げだ!!」

「え、ちょっ…!!」

「A、写真とってくれ!」

「任せてください!!」

驚いている越前を担ぎ上げ、レギュラー陣で胴上げをしているのをAは携帯で写真を撮った。

皆が笑い、嬉しそうにしている。

越前も照れ笑いのような笑みを浮かべていた。

胴上げが終わると越前は幸村と握手し、皆1列に並んで礼をした。

Aも竜崎先生の横に並び、放送を聞く。

「ただいまより閉会式を行います。3位入賞の四天宝寺中はコートまで降りてきてください。」

Aは竜崎先生と応援席に下がった。

閉会式が始まり、表彰が始まる。

関東大会では賞状を受け取らなかった立海も今回は受け取り、手塚が優勝旗を受けとる。

盛大な拍手が会場を包んだ。