１８０話 ページ32
どうにかして打とうと越前は動き続ける。
「何でだ…?もう五感は失われているはずなのに…誰もがもうテニスをするのも嫌になる状態でこのボウヤは…!」
幸村はうっすらと笑った。
「やはりキミは君は危険すぎる。」
幸村がそう言うと越前は固まった。
そして顔をあげ、ニヤリと笑った。
「テニスって楽しいじゃん。」
はっきりとそう言うと越前が今まで見たことの無いオーラに包まれた。
Aの涙も止まり、肩に回された手塚の腕に力が入ったのを感じた。
「もしか、して…あれが…!?」
「「天衣無縫の極み!?」」
光が収まると越前が堂々とそこに立っていた。
髪が逆立ち、いつもの越前とは違って見えた。
越前がサーブを構え、幸村が構えるとすでにボールが幸村の後ろに転がっていた。
「ねぇ…審判の人、コールまだ?」
「えっ?あ…いや、見えなかったもので……モ、モニター班っ!?」
審判が慌てて言うとモニター確認が入った。
会場がザワザワと騒がしくなる。
「は、入ってます…」
「フィ…15-0…」
「しっかりしてよ。んじゃ、少し遅めにいくよ!」
越前がそう言ってサーブを打つがそのサーブも一瞬のうちに幸村のコートに鋭く落ちる。
越前がラケットのフレームで玉突きをし、モニター班に目線をやるとその人は頷いた。
「30-0…」
「40-0!」
「ゲーム越前1-4!!」
越前はあっという間にサービスエースをとった。
会場は静まり返った。
コートチェンジになり、越前がAの前を通る。
「泣かないでくれる?アンタ、なんも悪いことしてないけど。」
「う、うん…」
あまりの違いにAは思わず返事をするしかなかった。
越前がコートに入り、幸村がサーブを放つ。
越前はそれを打ち返し、すぐに点をいれる。
「こ、これが…」
「無我の奥の最後の開かずの扉…」
「天衣無縫の極みなのか…」
「リミットを超えやがった…あの王子様はよ…!」
跡部のその声が皮切りになり、会場がまた騒がしくなった。
「ゲーム越前3-4!」
越前の勢いは止まらない。
どんどん攻めていく。
「凄い凄い!おチビ凄いぞーっ!!」
「か、完全に圧倒してる…!!」
Aがそう言うと同時に〔ゲーム越前4-4!!〕とコールされた。
「楽しんでる?」
笑いながら越前がそう言うと幸村は悔しそうに唇をかんだ。
「歴史が変わる!!」
「青学が王者立海の3連覇を阻もうとしているーーっ!!」
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みかん - 更新頑張ってくださいテニラビやってますぜひ申請お願いしますいいねもおくりますみかんですねんです (2019年9月6日 2時) (
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作者名：メリルリンチ | 作成日時：2018年4月19日 23時
