１７８話 ページ30
「スーパーウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐!!」
越前が打つ瞬間、手塚はAの肩を支える。
ボールが力強くコートに落ちる音が聞こえた。
Aは瞑った目をゆっくりと開く。
そこには座り込んだ越前がいた。
「これでもう終わりかい?」
幸村が越前を見下ろしながらそう言った。
「つ、強い…!」
これが神の子。
青学部員は息をのんだ。
「やっぱ楽しいなぁ…テニスは。」
「み、見ろっ!あれは…!?」
「左腕にすべてのオーラが集まってる!」
「あれは…百錬自得の極み!!」
Aがそう言うと手塚は目を見開き、固まった。
「まだまだだね。」
百錬自得の極みが出たことで越前が有利になると感じたが、そううまくはいかなかった。
「ゲーム立海1-0!!」
「ゲーム立海2-0!!」
「ゲーム立海3-0!!」
幸村は無表情のままゲームを取っていく。
「どんな技も…誰の技も…なにも通用しないの…?」
Aがそう呟くと真田のある言葉が聞こえてきた。
「10年に一度の逸材集いし群雄割拠のこの年……その時代が創り上げてしまった悲しき産物なのかもしれんな。」
悲しき産物。
Aは越前を見つめる。
「うおお!!」
真剣に試合に取り組む越前。
百錬自得の極みを適材適所に集めることで試合を進めていた。
「んあっ!!」
「15-40…」
審判がゆっくりとコールする。
会場が静かになる。
「次は……5球でいくよ!」
才気煥発の極み。
一気に青学のテンションが高くなる。
「1!」
「2!」
「3!」
幸村に焦りが見えた。
「4!!」
観客からもコールが聞こえる。
「5!!」
越前が飛び上がり、スマッシュを打つ。
その時幸村の目が鋭くなった。
全然関係の無い客席の方へボールが勢いよく飛び、激しい音をたてる。
「リョーマくんが…」
「あんな大ホームランを!?」
越前はそのまま落下した。
「お、おチビーーっ!!」
「リョーマくん!!」
「ちぇっ、折角5球で決められるトコだったのに。」
越前は立ち上がるが鼻血が垂れている。
「リョーマくん、大丈夫?!」
「鼻血出てるぞ!鼻血!!」
菊丸がそう言うと越前は手を見た。
「えっ……マジっスか?」
越前はそれを見てやっと気づいた。
「ねぇ…手塚。今のって…!」
幸村の威圧感がさらに大きくなった。
越前は鼻血を荒々しく拭うと試合を再開した。
でも、その顔は驚いている。
「まさか…!!」
越前はまた客席に飛ばす。
「見たところ…触覚を失いかけてるようだね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん - 更新頑張ってくださいテニラビやってますぜひ申請お願いしますいいねもおくりますみかんですねんです (2019年9月6日 2時) (
レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：メリルリンチ | 作成日時：2018年4月19日 23時
