170話 ページ23
病院の待合室で海堂は座っていた。
Aが外から戻ってくる。
「海堂先輩、今話してきました。」
「試合は?」
「不二先輩が2-0で優勢です。」
「そうか…」
海堂はずっと緊張した顔をしていたが少し穏やかになった。
「乾先輩は?」
「今は病室にいる。いくぞ。」
「はい。」
海堂の後ろについて歩いた。
病室に入ると包帯で頭をぐるぐるに巻かれた上から眼鏡をかけた。
海堂が椅子を出してくれて、Aはその椅子に座った。
海堂は乾をじっと見つめている。
Aも早く乾が起きてくれるのを待った。
しばらくすると乾が勢いよく起きた。
「夢……か。」
海堂は目をつぶり、そのままでいた。
Aは乾の手を握った。
「良かった…乾先輩。」
「俺たちは…負けたようだな。」
乾がそう言うと海堂は静かに首を縦に振った。
「スマンな…海堂。」
海堂はうっすらと目を開けた。
「いえ、ありがとうございました。」
「でも、そこまで重症じゃなくて良かったですね。」
海堂は〔包帯でぐるぐる巻かれてるけど〕と呟いた。
「そういえばさっきうなされてたッス。」
「…ちょっと悪夢を見ていてね。」
「シングルス2…不二は大丈夫だろうか。」
乾はそう呟くと窓の外をみるように向いた。
「私が連絡をしたときは2-0で不二先輩が優勢と聞きました。」
Aがそう言うと乾は少し嬉しそうな声で〔そうか〕と言った。
「では、乾先輩が起きられたので今から私は会場に戻って報告と共に応援に戻りますね。」
「そうか。」
「失礼します。」
Aは病室を出ると早歩きで外へ向かった。
24人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん - 更新頑張ってくださいテニラビやってますぜひ申請お願いしますいいねもおくりますみかんですねんです (2019年9月6日 2時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:メリルリンチ | 作成日時:2018年4月19日 23時