【テニスの王子様】続×3・モブCからの卒業 (ページ21)

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１６８話ページ21

切原の目が赤くなった。

強烈なスマッシュがコートに落ちる。

柳は切原に近づくと膝裏をラケットで小突き、切原の踏んでいた眼鏡を拾った。

「すまないな貞治。」

切原が柳に突っかかろうとすると膝裏をラケットでまた小突いた。

跡部と侑士が青学のところに降りてきた。

乾がベンチまで戻ってくると侑士が眼鏡をはずした。

「コレ使いーや、乾。」

乾は眼鏡を受けとって着けると〔み、見えん…〕と言った。

緊張して堅苦しかった空気が一瞬にして変わった。

「あーん、テメェのは伊達メガネだろ?」

「せや…忘れとったわ。」

乾は眼鏡を返すと自分のラケットバックから眼鏡を取りだし、着けた。

何食わぬ顔で乾はコートに戻っていったが皆はバックのなかに大量に入っていたメガネに対し、困惑が隠せなかった。

試合が進み、立海が4-0と優勢。

そのとき、海堂が打ち返したボールがまっすぐと立海のコートに落ちた。

「い、今のは…!」

「まさか…!!」

「柳生先輩の…レーザービーム…!!」

青学から歓声が上がる。

「いや、マムシのはもっと速い……あのレーザー、ジャイロ回転してやがる。」

次に海堂は同じフォームのままスネイクを打った。

「凄い!今度はトルネードスネイクまで決まり始めたーっ!」

「直線のレーザービームを打てることで曲線のトルネードスネイクが息を吹き返してきてる。今の海堂先輩は…」

〔無敵です〕Aがそう呟くと審判も声をあげた。

「ゲーム青学1-4!!」

青学コールが響く。

越前をみてみると未だに顔色は変わっていなかった。

次に手塚を見るとある程度症状は収まったようで、手塚の顔もあまり険しくなくなっていた。

「部長、もう平気ですよ。」

「そうか。」

手塚はそう言うと立ち上がり、前の方へ並んだ。

部長として一番前で皆の試合をみたいのを我慢していたのだろう。

Aも越前を誘い、前に出たその時。

海堂の打ったボールが切原の顔面にぶつかった。

切原は飛ばされるようにコートに倒れた。