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148話 ページ1

「弐拾弐式波動球!!」

四天宝寺も辛そうな顔でそれを見る。

白石は顔を背けた。

「弐拾参式波動球!!」

青学はもうどうすればいいのか分からない気持ちを抱えながら試合を見続ける。

「弐拾肆式波動球!!」

河村の体が屋根の高さまで上がる。

あまりの高さにAはこのまま落ちたら河村が死んでしまう、そう思った。

「いや………いやあぁぁぁぁぁ!!」

あまりの怖さと悲しさにAは叫び、座り込んだ。

皆は呆然とその姿を見つめ、不二が初めて叫んだ。

「タカさーーんっ!!」

でも、そんな河村を向かいの席にいた亜久津が河村の体をつかんだ。

「何諦めてんだ、河村。」

いるとは一切思わなかった亜久津にレギュラー陣は驚きが隠せなかった。

河村は亜久津と何かを話すとゆっくりと歩き出した。

その足並みはコートに向かっていた。

「な、なんやアイツ…」

「何で、あと一球で負けやろ?」

「もう立たんでもええやんか?!」

四天宝寺からそんな声が聞こえる。

白石が拍手をすると皆もそれにつられて拍手をした。

拍手のなか、河村は体を震わせ、血をだらだらと流しながらコートに立った。

ボールを手に取り、サーブの体制をとる。

審判が控えめにコールをする。

皆が黙り、固まる。

緊張が走る。

河村は一向に動かない。

「か…………河村先輩?」

河村は越前の声が聞こえたかのように叫んだ。

「燃え尽きるぜぇぇぇぇぇ!!バーニング!!」

その言葉が本当に燃え尽きて、最後のテニスにしようとしてるかのように思えてAの目からは大粒の涙が流れた。

越前も感じたようで驚き、口を開いて固まる。

トスをあげるが、そのボールは前方に流れる。

河村の体はもう限界だった。

それでも河村は力を振り絞って動いた。

「グレイトォーーー!!」

「「届けぇぇーーーーっ!!」」

レギュラー陣とAは河村の言葉に重ねるかのように大きく叫ぶ。

ボールはラケットの縁に当たった。

「これが最後の波動球だぁーーっ!」

ボールはコートに飛び、銀はそれを打ち返そうとする。

ボールは銀のラケットを弾いた。

銀は手首を押さえる。

河村はその場に倒れこんだ。

「ラケット弾かれた程度じゃん!!」

「逆に怒らせた…殺されるーっ!」

銀がラケットを拾おうとすると左腕が細かく震えて、拾えずにいた。

オサムは銀に近寄ると〔負けや…銀!折れとるわ〕と言った。

「そ、そうか…ラケットの先に当たったことで波動球とは異なるブレが生じ、石田が無効化できなかったんだ!!」

149話→



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みかん - 更新頑張ってくださいテニラビやってますぜひ申請お願いしますいいねもおくりますみかんですねんです (2019年9月6日 2時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:メリルリンチ | 作成日時:2018年4月19日 23時

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