【暗殺教室×東京喰種re】I couldn't love him

5 ｉｆyou…… ページ7

ｻﾞｰ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿








昼から雲行きが怪しかったが、雨降ってきたな


「降ってきたわね」




『うん。でもこれくらいなら大丈夫そう』




イリーナはつまらなそうに頬杖をかきながら窓を見ている
雨の日は本を読むのに絶好の日





晴れの日は原っぱで本を読むのに絶好の日




好きな小説家は高槻泉
あの人の価値観は……なんだか酷く切ない



そして共感できる







「そういえば、なんで教師になんてなったの？」









『なんでかなぁ……教えてあげたかったの
色々なこと』




ヒナミのためっていうこと
そして……研に……対等な立場で教えてあげたかった




彼が無くしたもの



今はそれすら叶わないか
だって私のこと覚えてないもの






彼は先生と呼ばれている
少しだけ運命を感じた




でも敵だ
私は人間だけど、喰種捜査官なら……大切な人の敵
彼(ケン)の敵






喰種捜査官の卵達が話しているのを盗み聞きしてしまった
20年間の記憶がない





そんなの怖い……自分が……自分じゃないから




でもそれでも頑張っているから、私は研に会うべきじゃない








例えまだ……自分の気持ちが溢れても









××




『やっぱり走っちゃダメだったかな……』



学校で待つのもあれだったし
イリーナに送ろうか？と言われたけれど悪いし





お陰で公園の屋根つきベンチで雨宿りの刑だ
自業自得だけれど




『くしゅっ……！』



仕事始めたばかりなのに……明日風邪とか勘弁してほしいものだ





「これ……使ってください」





『どう……やっぱり要りません』




「僕のは使えませんか？」





そう。




そこに居たのはかつての恋人……いや佐々木琲世





「Aさん？」




『馴れ馴れしい……佐々木さん部下はどうしたんですか』








「……えっと……まぁ色々あって」



はは、と苦笑した
そして謝った




「僕のこと嫌いですか？」




『とっても』




「そんなにバッサリ言われると結構キツいな」






その張り付けた笑みが嫌い
無理してるのが嫌い






だって寒いくせに明るくしてるし
嘘つきだし





『これでもくれてやりますよ』




ぽいっ




「くれて……？うわぁ」




本当に喰種捜査官なの？
まぬけそう……やるときはやるけどさ




「この時期にカイロ？」



『寒がりなの』






そう言えば「確かにそんな感じするね」と言われた





そして__________





「僕だけじゃ悪いから」




私の手も包まれていた__________

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