どこ？ ページ10
薬研目線
突然目の前が真っ白になって、気がついたら俺は一人で立っていた。
さっきまでいた本丸と同じ造りだが、障子には桜や銀杏、紅葉があしらわれていたり、大きめの柱に子供の身長を測った後があったりと、微妙に違う所が多くあった。
俺は…どうなったんだ？
確か…Aが…………。
薬研「…A？っ………A！！」
「どうした？」
薬研「うおっ！？」
振り向くと、そこにはAが立っていた。
ただ、様子が変だ。
軍服にマフラー姿だったはずなのに、見たことも無い白地の服に身を包んでいたし、髪が少し伸びてハーフアップにしている。
青と紫が混ざったような綺麗な石の耳飾りと腕輪を付けていて、首元にも同じ石がついている首飾り？をつけている。
そしてなにより、体が透けていた。
薬研「…A？
……その格好どうしたんだ？」
「ん？あぁ、死んだ」
薬研「………………は？」
「あの本丸に結界を張って直ぐにな。
お前らは折れてないから安心しろ」
いつも通りに笑うAに、俺は絶句した。
死んだのになんで笑っていられるんだ？
「薬研、せっかく逢えたんだ。少し話そうぜ」
柔らかく笑うAに手を引かれて連れていかれたのは、丁寧に手入れされた庭がよく見える縁側だった。
複雑な気持ちのまま、俺はAと並んで縁側に座る。
何を話せばいいのかわからなくて、つい自分の膝を黙って見つめる。
ここはどこなんだ
Aはこれからどうなるんだ
なぜ軽々しく死んだと言えるのか
聞きたいことがあるのに、口を縫い付けられたみたいに動かない。
そんな俺を見ていたAは、ふっと笑って口を開いた。
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うわばみ(プロフ) - せんらさん» 勿体ないお言葉ありがとうございます！ (2019年9月8日 0時) (
レス) id: 1627c77424 (このIDを非表示/違反報告)
せんら(プロフ) - すごくおもしろかったです！薬研と夢主があったシーン、すごく感動でした。これからも応援してます！！ (2019年9月7日 18時) (レス) id: 1e2db71dc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ | 作成日時：2019年8月16日 23時
