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誘拐 ページ1

その日はこんのすけと共に政府に出向き、本丸を取り返す手続きをあらかた終えた日だった。


こん「A様、もう少しですね!」


「いや、大変なのはそれからだからな。

本丸に入ったら、当分は寝れねーぞ?」


こん「はぐっ!こ、心得ておきまする〜> <」


反応のいいこんのすけを軽くいじりながら、診療所へ足を進める。

そして診療所の玄関を開けた途端、俺はその光景に唖然とした。

外からでは何も見えなかったが、中は酷く荒らされていた。

畳は裂け、障子は破けて、食器は割れている。

よくよく目をこらすと、血痕らしいものもいくつか見つかった。


「こんのすけ………」


「こ、これは……刀剣の方が居ないということは…誘拐でしょうか…?」


「くっそ!」


俺は全神経を尖らせ、犯人の霊力を探る。


初めは少しの違和感だった。

それは徐々に増え、最終的に捉えた霊力は、俺がよく知る人物の霊力だった。


「…………!」


こん「A様…実は、刀剣の誘拐事件は今回が初めてではないんです。

審神者の皆さんは政府に訴えを起こしていますが、誰も聞きいれてはくれないそうなのです。

近々、力のある審神者も協力して訴えを起こそうと……」


「……いや、そんな必要ねーな。場所はわかった。

馬鹿だよな…刀剣に刀剣の誘拐させたら霊力が残るってのに」


こん「し、しかし!誰の霊力が分からなければ意味が……え?ば、場所がわかるのですか?!」


「俺が取り返そうとしてる本丸の審神者が首謀者だ。

それだけでも分かれば十分だろ?」


俺は腰にある剣に霊力を軽く込め直しながら、こんのすけを見つめる。


その時、弱々しいノックの音が玄関から聞こえてきた。


「ん?」


玄関を開けると、ボロボロの神楽(活撃審神者)が立っていた。


「神楽!お前…どうしたんだよ」


活撃「Aさん…私もう、どうすれば……」


それだけ言うと、神楽は崩れ落ちるようにその場に倒れ込んだ。

俺は急いで抱き起こすが、神楽は気を失ってぐったりしている。


「お、おい神楽!しっかりしろ!おい!」



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うわばみ(プロフ) - せんらさん» 勿体ないお言葉ありがとうございます! (2019年9月8日 0時) (レス) id: 1627c77424 (このIDを非表示/違反報告)
せんら(プロフ) - すごくおもしろかったです!薬研と夢主があったシーン、すごく感動でした。これからも応援してます!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 1e2db71dc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うわばみ | 作成日時:2019年8月16日 23時

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