電話 ページ19
奏夢『なんでよ……貴方だって、無傷じゃ済まなかったのに……』
微かに聞こえたあいつのその一言が、脳内で反芻する。
(誰だ貴様らはぁ！！)
(侵入者だ！お前ら、アイツらを殺してこい！)
(A…母さんを頼んだよ)
無理やり目を開けると、見慣れない天井が広がっていた。
枕元の携帯で時間を確認すると、11時と表示されている。
周りを見ると、全員寝ていた。
あれだけ騒いだら疲れるか……。
(夢なんて…久しぶりにみたな……)
疲れてるせいか、もうかれこれ1年ほど夢を見ていなかった。
久しぶりに見た夢が悪夢なんて最悪だ……。
その時、手の中にあった携帯が震え出す。
画面には『母さん』の文字が浮かんでいる。
俺は軽くはだけた浴衣を直しながら立ち上がって、そっと襖を開けてベランダと縁側の間の子のような場所に出てから、通話を始める。
「…もしもし」
『ごめんねA、こんな時間に』
「いや…大丈夫。
母さんってこんな時間まで起きてるんだな…」
『いいえ…たまたま目が覚めてね、お茶を飲もうとしたら、小さめの湯呑が割れてしまって……。
少し気味が悪くなったから、電話したの』
「そっか…」
電話越しに聞く、落ち着いた初老の母さんの声は、どことなく疲れてるようにも聞こえる。
「母さん、最近また無理してないか？」
『そうね…少し無理してるかもね。
でも私は平気よ？Aの方が心配だわ』
「俺の心配なんてしなくていい」
『そういう訳にも行かないわよ。
……A、なにかあったのね？』
俺はため息を飲み込んで、さっきの夢の内容や、奏夢に言われた一言の話を始めた。
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うわばみ(プロフ) - 桃さん-修正しました。ご指摘頂きありがとうございます！ (2019年8月18日 22時) (
レス) id: 1627c77424 (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 治せないのページの謙信景光が「検診景光」になってます！ (2019年8月18日 21時) (レス) id: 7f966a9c98 (このIDを非表示/違反報告)
皐月 - すごい面白いです絵も上手でびっくりしました (2019年8月18日 13時) (レス) id: 7bf19f4020 (このIDを非表示/違反報告)
てほゆの(プロフ) - 続きがとても楽しみです！頑張ってください！！ (2019年8月17日 14時) (レス) id: 0f495494f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ | 作成日時：2019年8月11日 22時
