B2-11 ページ17
______うおぉぉぉぉ……、うおぉぉぉぉぉ……。
まだ呻き声が響き渡る廊下を抜けると、そこはやっぱり牢屋が連なっていた。
でも、なんでだろう。もう腐ったような異臭はない。
かわりに、噎せ返るようなあの甘いにおいが、フロア全体に充満していた。
牢屋の中を注意深く除きながら廊下を進んでいくと、レイチェルの言ってたスイッチが、鉄格子の奥にあった。しかし、思い切り手を伸ばさないと届かない距離にある。
仕方がないと、思い切り鉄格子の隙間から腕を伸ばした時、何者かがショッピの手を掴んだ。
はっとして横を見ると、そこには縫い合わされたような真っ赤な不気味な人形のような人間が立っていた。ソレは目を吊り上げ、怒りの表情を露にした。
「……は？」
うおぉぉぉ……！と苦しみを吐き出すような雄叫びを上げて、ソレはショッピ目掛けて走り出す。
「なんやねんアレ……！」
(に、逃げな……ッ)
突然降り掛かってきた恐怖に、ショッピはスイッチを押すのを諦め、全速力で隣の部屋へと逃げ込んだ。
息を切らしながら逃げ込んだのは、ワードに撃たれ、Aがワードの腕を切った場所だった。
(なんにせよ……)
「このままやとスイッチ押せへんよな……」
思わず独り言を呟きながら、ガンガンと防弾ガラスを殴りつけ、引っ掻きながら呻き声を上げ続けるアレに視線を向け、ふつと目を細める。
「アレ……邪魔、やな」
防弾ガラス越しにソレを見下ろしながら、ショッピはすぐ後ろに備え付けてある大きな機械の前に立つ。
意外と操作は簡単に、そして分かりやすく分けられていて、初めて見るショッピでも扱えそうだった。
目の前の画面に映し出された映像に映るソレに焦点を合わせ、ボタンを押す。カチッという手応えと共に、後ろから銃声の音が鳴り、アレが呻き声を上げながら崩れ落ちる音がした。
______うおぉぉぉ……ショッピ！どこに、いる！
______うおぉぉ……そこに、いるのは、わかって、いる！
「……うるさ」
忌々しい声を聞き、舌打ちをしながら、ショッピは次々と慣れたように躊躇いもなくソレを撃ち抜いていく。
撃って、撃って、潰した。
頭が痛くなるような銃声が鳴り止んで、フロアの中は一気に静かになった。
「……はぁ、ッ」
上に上がるに連れて、先に進むにつれて思い出す嫌な記憶に、ショッピは頭を振って下唇を噛み締める。
知られたくない。
Aだけには……絶対に……！
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うわばみ��(プロフ) - 咲夜（さくや）さん» コメントありがとうございます！不定期かつ気まぐれ更新ですので気長に待っていて頂けたら嬉しいです。 (9月3日 20時) (
レス) id: ab7bcef119 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜（さくや）(プロフ) - 続き楽しみにしています。更新頑張ってください (8月31日 21時) (レス) id: f2b60f62ba (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» コメントありがとうございます！いつも更新が遅いですが完結させるつもりですので、気長に待って頂けたら嬉しいです。 (2022年12月7日 10時) (レス) id: 08a0a12774 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ - いつも拝見させて頂いております。すごく面白くてお気に入りの小説です。次の更新も楽しみにしています！ (2022年11月29日 18時) (レス) @page23 id: 7b284a32ed (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - こめつぶさん» コメントありがとうございます！完結できるよう頑張ります！ (2022年2月6日 11時) (レス) id: 2061b1d98e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年12月19日 16時
