B3-13 ページ43
「あ、起きた？」
ショッピは膝の上に乗せていたAの顔を覗き込みながら、なるべく静かな声でそう尋ねる。
寝起きのせいなのか、Aは不機嫌そうに顔を顰めて、あまり目もはっきりと開いていない。
「……ショッピ？」
「うん、ショッピやで」
「ん〜……お腹減った……」
だるそうに体を持ち上げて、Aは空腹を訴え出す。
鞄の中から、B5で拾った栄養補助食と水の入ったペットボトルを取り出し、固形栄養補助食をAの口に入れた。
「……
「これしかないねん。ごめんな」
形だけそう謝って、ショッピも栄養補助食を口に入れる。確かに腹は減ってたし、休憩もできる場所はもう先にはないかもしれない。
Aは少し目が覚めてきたのか、ショッピの膝の上からのそのそと這い出で、鎌を持つ。
「……もう大丈夫なの？」
「うん。もう平気やで」
「じゃあ、行こ」
冷たくそう言い放って、Aは歩き出す。
「A、なんかあったん？」
「……昔の夢をみただけ」
「夢？」
「……いいじゃん、なんでも。関係ない…」
さっきまでよりもずっと低い声でそう言って、Aは黙り込んでしまった。
______オォォォォォぉぉぉぉ……______
さっきから聞こえてくる呻き声のような叫び声に、嫌な予感が増す。叫び声がする方からは、なにかが腐ったような臭いもする。
少し錆びた鉄の扉を開けると、そこには牢獄が連なっていた。一定間隔で置かれた裸電球だけが光源で、酷く薄暗い。
叫び声と臭いはここから発せられていた。
『随分遅かったけど、一体何をしていたんだい？お昼寝でもしていたのかな？
あ、ねぇ、お前たちにもう一度聞いてあげる。一生牢獄で過ごすのはどう？』
「やだって言った」
淡々と返すAに、ワードはくすくすとバカにしたみたいに笑う。
『ふぅん、残念。俺を愉しませてくれる道具には、なってくれないんだね』
「……道具？」
ワードの一言に、ショッピは何故か強い不快感を感じた。まだ全部の記憶が戻っていないせいか、原因もわからない。
それをわかっていてわざとそうしてるみたいに、ワードは嫌味たっぷりに口を開いた。
『ふふっ、そうだよ、ど、う、ぐ♡
それに、道具っていうのはお前たちのことさ。
お互いの身勝手を押し付けただけの約束。利害は一致しているように見えるけど、お互いがただの道具でしかない。
でも、本当の道具はどっちなんだろ？』
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
