Gardner memory v ページ42
その日、ジェイドは夜になっても帰ってこなかった。朝になっても、また夜になっても、帰ってくることはなかった。
『美味しいもの買ってくるから、いい子で待ってろよ』
そう言っていた顔が、脳裏にチラつく。
……嘘を、つかれた？
胸になにかがつっかえているみたいに、苦しくて気持ちが悪い。なんでこんなに苦しいのかもわからない。
ただ気持ち悪くて気持ち悪くて仕方がない。
僕は台所に置いてあった果物ナイフを手に、外に出た。外には、ゴロツキと呼ばれる奴らや、平気で人を殺して物を奪う奴がいる。生身一つで外に出るのは危険だった。
ナイフをパーカーのポケットに押し込んで、ドアを開ける。深緑の大きなパーカーは暖かいけど動きにくい。ジェイドのお下がりだが、色がすきで気に入っていた。
ぺたぺたと街を歩いていると、川のそばに人だかりが出来ていた。近寄ってみると、警官が何人も集まり、川で何かをしていた。警官の傍には、袋がかけられた"ナニカ"がある。
「殺しだってよ」
「いやぁねぇ……物騒で……」
「気味が悪いな……」
そんな話し声がコソコソと聞こえる。
その時、僕の目には警官が持っている鞄を写した。その鞄は知っていた。合成皮革の鞄にくっついている、不格好な、でも綺麗な石のストラップ。
ジェイドの物だった。
ジェイドは誰かに殺されたんだと気がつくのは、そんなに時間はかからなかった。
呆然としたまま、僕は踵を返して家に向かって歩く。その時、俯いていた僕の耳に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あの優男、さっき高架下で見つかったらしいよ」
「マジかよ……なあ、証拠は残ってないんだろな？」
「証拠なんて残らないわ。にしても、あんなはした金と林檎持ってどこ行く気だったのかしら。二人分あったけど……ま、どうでもいいわね」
吐き気がするくらいに覚えているその声に、僕は一瞬、頭がジンっと痛くなった。
どうでもいい？どうでもいいの？
ふつふつと湧いて出てくる気持ち悪い感情に、僕はポケットに忍ばせていた果物ナイフを握る。
そのとき、「A」と声が混じった。
だれ、誰の声だったっけ？
「A……」
あ、ショッピだ。ショッピが呼んでるんだ。
僕の名前を……______
その声が現実のものだとわかった途端、夢は少しずつ黒く塗りつぶされていった。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
