Gardner memory �� ページ41
それから僕は少しの間、その人、ジェイドと暮らした。ジェイドは片腕で片目だから、身の回りの事をなるべく手伝った。
ジェイドは学校の先生らしく、僕に色々なことを教えてくれた。数学、文字の読み書き、理科、生活のあれこれ、簡単な裁縫や料理なんかまでも。
自分が病院に行くついでに、僕も病院に連れて行ってくれた。お陰で体の傷は火傷以外綺麗にとはいかなくても、治っていった。
僕は不思議だった。
なんで何も出来ない僕を、学校が燃えて自分だって生活することが苦しい筈のジェイドが引き取って、そばに置いてくれるのか。
あの三人みたいに利用する訳でもなく、かといって過剰に干渉してくるわけでもなかった。
何がしたいのか、僕にはわからなかった。
それが不気味で、なんだか気持ち悪くて、仕方がなかった。
△▼
俺はあの日、廃車の中で小さく踞るあの子、Aを家に連れて帰った。あの子からは酷く不衛生な臭いがして、体も傷だらけで、服も汚かった。それだけで、Aの生きてきた過酷な環境が伺えた。
街で見かけた、捕まって連れていかれる子供。
彼らは悪くなかった。悪いのは彼らを守らない、守れない俺たち大人の方だ。
あの子たちは被害者だった。
だから、なにかしたいと思った。
せめて一人でも、そんな子を減らしたかった。一人の教師として、何より何も出来なかった大人として、何も出来なかった自分への償いのつもりだった。
あの子は優しくされることに、苛立ちを覚えるほどに戸惑っていた。
でも、寝言で母親と父親を呼んでいたあたり、二人からは愛情を受けて育ったことがわかった。
テーブルマナーもしっかしていたし、教育も基礎がしっかりしていた。
でも、あの戦争があの子を狂わせてしまった。
俺はもう、そんなに長くない。片手と片目を失い、ついでに寿命まで落としてきてしまった。
だから残り少ないこの命を、Aのために使おうと決めていた。この先も生きるあの子が、少しでも明るい未来へ行けるように、手助けしようと思えた。
俺はいつの間にか、Aを本当の弟のように可愛がっていた。それは幸せなことだった。
そんな日々が、俺の寿命が尽きるまで続いて欲しかった。Aを導き寄り添う時間は、まだ少し続くはずだったのに。
あの日、全てそれが消えてしまった。
三人組に、俺は金銭目的で殺された。
Aの誕生日の日だった。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
