B4-6 ページ15
「てか、今ディケンズ先生って言った？」
「言ったけど…患者さん？」
ショッピの口からディケンズの名前が出たせいで、Aはさっきまでのことが、意識から遠のいてしまった。でもAにとって、ディケンズはやたら目に固執する変な人程度の認識だった。
「…多分」
「多分ってなに？」
「よく覚えてへんの。記憶喪失」
ふぅんと興味なさそうに相槌を打つAを横目に、ショッピは息を止めて池の中をもう一度、注意深く覗く。すると、池の底に丸いスイッチがあることに気がついた。
「…なあ」
「ん？」
「あそこのスイッチってどうやって押すん？」
「…乗る？」
乗るかぁ…とこぼしたショッピは、少し考えてから、Aに冷静に指示を飛ばす。
「しばらくあの上乗っといてくれへん？」
「いいけど…入って大丈夫なの？」
「多分、大丈夫」
「……わかった」
Aは渋々ブーツを脱いでザブザブと冷たい水の中に入る。肌を刺すような冷たさの水に、体温は容赦なく奪われていく。
「つめた…！」
「ごめん、すぐ戻るし待っとって」
それだけ言うと、ショッピは急いで亀裂に戻る。あまり長々と待たせていると、何が起こるかわからない。
亀裂へ向けて走っている途中、ひらひらと紙片が落ちてきた。どこから落ちてきたのかと怪訝に思いつつ、そこに書かれてあることを急いで読む。
そこには、綺麗な丸文字で、
『私が手を貸してあげるわ。
苦しみたければ、苦しく、楽なのがいいなら、優しく。お好みの方法を選んであげる。
ねぇ、貴方はどんな殺され方をしたい？』
と書かれてあった。
(なんやろ…これ)
不気味に思いながら、ショッピは紙片を捨て、亀裂へと急いだ。こんな所で立ち止まってる場合じゃない。Aを冷たい水の中で待たせているのだ。
どこからが聞こえてくる微かな笑い声を無視して、ショッピは一人、フロアを駆け出した。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
