B3-16 ページ46
苦しそうに顔を歪めるショッピに、Aは背中を向けて走り出す。なにもない無機質な廊下を、鎌を持ってひたすら走る。
毒を体に入れてるはずなのに、ショッピの足は速い。
振り返らないで脇目も降らずに、ただただ走る。
______あのとき、ショッピと約束した。
外に出られたら、僕がショッピを必ず殺す。
だから、今だけはショッピから逃げる。
殺すために逃げる。
そういえば、こうやって誰かのために走るのは初めてかもしれない。でもそんな考えが一瞬で吹き飛ぶくらい、Aは無我夢中で走った。
廊下の先にあった簡素なドアを開けると、そこは目が痛くなるくらい白くて明るい部屋だった。
新築みたいな傷も汚れもない床と壁。奥には、大きなモニターと、複雑そうな機械。
でも、そこは透明なガラスで仕切られていて、先に行けなくなっていた。
でも、すぐ後ろにまで追ってきているショッピから逃げるのに必死で、Aはそれに気がつけなかった。壁に手を当てて、思わず息を飲む。
「いき、どまり……っ？！」
その時、いきなり首に腕を回されて、ギリギリと首を絞められる。鎌を床に落として、Aはショッピの腕を掴んで必死に抵抗する。
「ぁっ……ぐぅっ……ｶｯﾊ……ｶﾞ……」
ショッピの着ている紫の上着が喉に擦れて痛い。ギリギリと容赦なく絞めてくるショッピの腕が、どんどん強くなっていって、引っ掻いても叩いてもビクともしない。
だんだん目の前が霞んできて、頭がぼーっとしてきた。胸が爆発しそうなくらい苦しくて、息が吸い込めなくなる。
完全に首が絞まりかけたその瞬間、
"______バンッ！"
と、心臓が飛び跳ねるような大きな音がして、そこそこ浮いていたAは床に落とされた。
ゲェゲェと何度かえずいて、目元を袖口拭う。
体をなんとか起こすと、小鳥が心配そうにピィピィと鳴いているのが見えた。
顔を上げると、苦しそうに顔を伏せたショッピが、左の二の腕を押さえつけていた。黒い手袋の隙間から、真っ赤な血がどくどくと溢れている。
「しょっぴ……？！」
「っ……！」
苦しそうに下唇を噛み締めるショッピの頭からヘルメットが落ちて、地面に当たる。
それを合図にしたみたいに、スピーカーから、もう聞き慣れた笑い声が聞こえてきた。
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ネロ - らっぴょこさんさん» 同じく (2021年3月26日 21時) (
レス) id: 60a73795c6 (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - ルキさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年10月30日 22時) (レス) id: baf7cd5c38 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - あぁぁぁっぁ好きっ！(唐突)更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月30日 21時) (レス) id: cf78d11b1b (このIDを非表示/違反報告)
うわばみ��(プロフ) - らっぴょこさんさん» そう言って貰えて嬉しいです。これからものんびりですが、頑張ります。 (2020年9月13日 21時) (レス) id: 5c7d5c749b (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - あ、好きです。殺戮の天使もdも好きなので､､、こういうフリーホラーゲームとコラボ(？)してる作品って少ないですので､めちゃテンション上がりました！応援してます！ (2020年9月12日 23時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うわばみ�� | 作成日時：2020年8月15日 17時
