妖と鬼 肆

知らぬが仏 ページ22

「竈門君！伊之助君！」




二人に駆け寄ると
竈門君の傷は深く
腹部から出血している






そこへ煉獄さんが現れる



「全集中の常中ができるようだな！

感心！感心！！」






「れ、煉獄さんに夏目さん・・」






疲れた顔をしているが
気力はあるようだ





「いいかい、竈門君
もっと集中して呼吸の精度をあげるんだ


出血している部分は腹部

そこに全神経を生き渡らせるんだ」




竈門君にそういうと
はぁはぁと息を切らしながらも
常中をして破れた血管を止血していく








「うむ、止血できたな！



呼吸を極めれば様々なことができるようになる
何でもできるわけではないが・・


昨日の自分より
確実に強い自分になれる」



「・・・・は、はい」






煉獄さんは凄い


こりゃぁ、色んな人に頼られるのも分かる

強くてかっこよくて
責任感もあって


そんな人と肩を並べて
私は任務に当たれているだろうか？


役に立てているだろうか





「あっ！！そうだ、夏目さん！！」

「ど、どうしたの？」




急に竈門君が大声を出す




「貴方を狙ってるって、あの鬼がっ
あの猫が！！」




「猫・・・斑に何かあったの！？！？」




そう言いかけたとき
ドオンッと爆音が鳴り響く





「「！？！？」」





辺りは砂ぼこりで覆われる





(・・・この匂い)









昔、嗅いだことのある花の匂い



目に入るのは綺麗な艶やかな黒い髪に
綺麗な着物を着ている女の子







(あぁ・・嘘だと言って)





「 久しぶりね Aちゃん 」








目の中には

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