INIの最強マンネ (ページ13)

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上を向くページ13

『あーもう！！！！…っなんで、』

全体での練習が終わって1人居残り練習をする。

どうにも上手くいかないのにイライラして目頭が熱くなる。

『…下向かない、上を向く、上を向くっ…』

下は見ないって決めてるのに涙を堪えようとするとどうしても下を向いてしまう顔。

｢…A〜｣

当たり前に聞き覚えのある声が私の名前を呼ぶ。

『たじくん、』

将｢帰ってこないから迎えに来ちゃった笑｣

『んん〜っ、たじっくん〜っ、』

将｢うん、たじくんだよ｣

子供をあやすみたいに私を包み込んで頭を撫でてくれる。

『…全部上手くいかなくてね、悔しい』

将｢んー、そっか。俺もたまにあるよ｣

『泣きたくないのに涙出るのも悔しい、下向かないって決めてるのに泣くのこらえると下向いちゃうのも悔しい』

将｢下向かない方法、1個あるよ｣

『なに、？』

将｢俺の顔みて｣

『ん？』

将｢ほら、下見てない｣

たじくんは身長が高いからどうしても見上げる形になる。

『ほんとだ』

将｢だから、泣きたくなったら俺の事呼んでよ。そしたら下向かなくて済むでしょ？｣

『…たじくん、ありがとう〜っ、』

たじくんの背中に回す手に力を込めるといつものたじくんのペースに呑まれる。

将｢へへ、苦し〜笑｣

『んーーー、元気出たー！！』

将｢じゃ、帰ろっか｣

そう言って片手に私の荷物、もう片方の手で私の手を握って歩くたじくんは

ずっと変わらない心から信頼できる私の大切な人。