【あたしンち】おれンちユズは転校生に恋をする (ページ47)

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ナマエはトイレでは無く同じ階の一番奥にあるまだお客さんが使っていない部屋の前の廊下にいた。
あまり綺麗ではない床にペタンと座り込み膝に顔を埋め自己嫌悪に陥っていたのだ

『私は、最低だ。最低な人間だ。川島ちゃんは前からユズのことがずっと好きだったんだ、なのにぽっと出の私がその場所を取っちゃったのに妬くなんて…』

最低だ本当に…。川島ちゃんがユズに嬉しそうに話しかけているのを見て一瞬でも思ってしまったのだ。

ユズは私の彼氏だからあんまりベタベタしないでって言えば…どうなるのかなって

『ぐすっ…私は最低な｢泣くほど酷い歌だったのか？｣……ぇ……藤野くん……』

｢いやぁー！なんかお前様子おかしかったから小便行くっていってついてきちまった！わりぃ！｣

『っ…』
｢まったく何泣いてんだよー。上手かったぜ？98点！｣

にぱっと人懐っこい笑顔を浮かべる藤野にぶあっと抑えていた涙が崩壊してしまい藤野を焦らせた

｢えぇー？！なんだよどうしたー？あ、そうだ…この後解散だろ？予定無いなら飯行こぜ話聞いてやる！｣

名案！と笑った藤野にはわるいが、ナマエはどうしてもあの場に戻る気分になれず曖昧な返事をして俯いてしまう…
｢……。よし！！決めた！お前ちょっとここにいろ！｣
『え？…う、うん。わかった』
｢よし！待ってろ！｣

そういって藤野はナマエの元を去りカラオケルームに戻りバンッと急ぎ財布から2人分の金額を置いた

｢わり！俺とナマエと帰るわ！またな！！｣
｢は！？おいちょっと待て藤野！！！｣
｢悪ぃー！急いでっからまたなー！！｣
｢は!なんで藤野が…ナマエちゃんと…｣

｢ナマエちゃん藤野くんと帰っちゃったみたいだけど…どうする川島？｣
｢……ハッ！もしかしてこれはチャンス!?｣

｢は!?ちょっと川島！ユズピはもうナマエちゃんの彼氏なんだよ？ちょっかいかけるのは良くないよっ｣
｢だからじゃないの山下！！｣

コソコソと話していた川島と山下だが、どうやら雲行きが怪しくなってくる
｢ナマエちゃんがいない所でポイントだけでも稼ぎたい！！！｣｢あ、アンタね…｣

盛り上がる川島とドン引き山下に緊急で帰り支度をしたナスオとユズが急ぎ部屋から出ていくのに川島、山下と続き結局全員帰ることになる

｢｢急げ藤野を追えー！！｣｣
｢や～んまって～ユズピ～♡｣
｢え…え～？…｣