【あたしンち】おれンちユズは転校生に恋をする (ページ41)

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41.タチバナ姉弟の憂鬱ページ41

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｢あ、ユズ｣
｢あ、姉ちゃん｣

服を買いに来ていたみかんと参考書を探しに来ていたユズはショッピングセンターでたまたま鉢合わせし、そのまま一緒に帰ることにした。

｢あ～雨かぁ、ユズ傘ある？｣
｢いや無い…走って帰るか｣
｢え～……。あ、じゃあさ折角だしお茶しない？たまには姉ちゃん出してあげるよ｣
｢お！やったラッキー！｣

と気分よくカフェに入ってきたみかんとユズだったが

｢な、なんで岩木くんと｣｢ナマエが…｣

コーヒーを飲んでいると1テーブル手前に入ってきたのはみかんの想い人岩木とユズの彼女であるナマエ。2人が知り合いだったとは初耳であるしかなり親しげに話している

｢ああ～もう、隣のテーブルのオバサンがうるさくて何話してるか聞こえねぇよ｣
｢気になるぅ～気になるぅうー！！｣

メニュー表で顔を隠しながらどうにか話の内容を聞こうとするがほぼほぼ聞こえず表情だけを観察する

｢嘘!?いっ岩木くんが…頭撫でてる…｣
｢っあ、あ～んだと!?｣
うそだぁあぁと暴れる姉弟を他所に和やかに
スコーンをあ～んや、笑い合う岩木とナマエ。
ちょうどその時隣のテーブルに居たおばさん達が伝票をもち会計に行ったことで話がよく聞こえるようになり姉弟揃って耳を澄ませた。

〝私、ニッポンの動物園に行きたい！
じゃあデートのプランは俺が考えとくよ

私岩木くんのこと好き
俺もナマエが好きだよ
えへへ、またお茶しようね〟

｢｢ＮＯーーー！！！！｣｣

その後も中睦まじげにカフェを出ていき
家まで送るよありがとうと岩木の傘に入り雨の中に入っていった岩木とナマエを屍の様な顔で見送った

｢ま、負けた…年上にまけた……背もデケェし……
相手高校生じゃ、勝てねぇ…｣

｢相手がナマエちゃんじゃ…可愛いし胸もでかいし…可愛いって言われてたし…勝てない、負けたぁ｣

雨の中傘もささずにドロドロしたものを背負いながらマンション、ドアの前に着いた2人に更なる追い打ちがかかる

｢…姉ちゃん、鍵は…｣
｢ユズが…持ってんじゃないの…｣
｢ねぇよ……｣
｢…私も無い…｣

｢｢はぁー……｣｣
人生なんもかんも上手くいかねぇな…と遠い目をしたユズとみかん

『え！？ユズとみかんちゃんどうしたの?!鍵ないの？良かったはウチはいって！』

｢タチバナさん？どうしたの？｣