【あたしンち】おれンちユズは転校生に恋をする (ページ3)

今日:15 hit、昨日:14 hit、合計:39,131 hit

03.その少女ページ3

＊
＊
＊
｢立花、ミョウジに教科書見せてあげなさい。机くっつけるの許可する｣

｢はい｣

担任の原先生が気を利かせてくれたおかげで隣の席の人が教科書を見せてくれることになった。
まだ届いていなかったから正直とても助かる

『ありがとうミスター』

｢いや、全然気にしないで…あと、そのミスターってのやめとくんない…なんか恥ずかしいっていうか…｣

ポリポリと頭を掻きながら前を向いた隣の席の人、たしか、タチバナさん。はとても優しい方のようだった。この人とは仲良くなれたらいいな…

『Sorry…。ではなんとお呼びすれば？』

｢別に、普通に…ユズ、立花ユズヒコ｣

『では、ユズくんとお呼びしても？私の事も是非ナマエとお呼びください。』

｢うん、分かった…ナマエちゃん。｣

『はい。ユズくん。』

｢……(えぇー!?まじ可愛すぎんだけどっ嘘だろナマエちゃんとかよんじまってるし！どうすんだよっ)｣

次の時間は新しいクラスで仲のいい人を作っていくために男女のペアを組合わせて4人～6人で1グループを作り班のメンバーと来月遠足に行くというものだった。
場所は学校から電車に何本かのった所にある遊園地で、もちろん遊びでは無く友好関係を作るのが目的のため感想文も書く必要がある。というものだった。

｢集合場所、時間、回る順番、班のリーダー、昼食をどうするかは班で決めるように。じゃあ、組め｣

ハラセンの投げやりというか大雑把な説明にナマエは困った。と眉を下げた。

『(そんな行事があるなんて知らなかったなぁ…転校してきたばっかりだから仲のいい人もいないし。かと言って人数が決まっているから、割こんでしまうのも良くないよね。)』

や～ん。どうしよう…と呟いたナマエが両手を頬に当てた所項垂れていると

｢あ、あのさ……よかったら一緒に行かない？｣

『ぇ、いいの？ユズくんだって他に行きたい人居るんじゃないの？』

｢いや、別に…。それに
｢ユズピー！俺のペア石田に決まったぜー！一緒に回ろうぜー！！ユズピはペア決まったかー！｣

…藤野って言うんだけど、あいつも決まったみたいだし…石田も変なやつだけど悪いやつじゃないから仲良くなれると思うよ｣

視線を移すと太眉の女の子と元気な男の子が手を振ってくれていた。胸の辺りがぽかぽかしてとても嬉しくなった。

私、この学校で上手くやっていけそうな気がする

『嬉しい…ありがとうユズくん』