男前彼女とオカマと暗黒のタマ (ページ27)

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25.本当のことページ27

一気に全て言い切り、顔を上げたところでラベンダーとAの目がサングラス越しに合った。

『～～っ』
｢こら、泣かないの｣
『で、でもっ！でもぉ…』
｢せっかくの可愛い顔が台無しじゃないの。ねぇレモン｣
｢そうよ！こんな事で殺られるカマじゃないわ！｣

なんて笑って
自分を元気づけてくる2人に必死に抑えているものが込み上げてくる。

『でも、でもっもっと早くに！行動してれば
レモンさんもラベンダーさんも怪我しなかったかもしれないのにっ！～～っもしかしたらこんな事にならなかったかもしれないのにっ』
泣くな。今は泣くな。大きい声も禁句だ。抑えないと。先輩がそろそろ戻ってくるかもしれない。

のに…ボロボロ溢れる不安の雫が止まらなくて、どうすればいいか分からない。

本当はずっと不安だった

ひまわりが珠を飲み込んだ時から
スナックで説明を受けてから
健康ランドで襲撃を受けてから
ひろし達とはぐれ自分が守らなきゃと思った時から
森で見つからないように息を潜めている時から
スーパーで捕まったラベンダー達を見た時から

ずっとずっと不安だったのだ

ただ、
家で再会した瞬間
スナックでたまたま手を繋いたは瞬間
健康ランドで喫煙所で2人で話していた瞬間
手当てを受け軽口を叩きあっていた瞬間
バレないように静かに繰り返しキスをしていた瞬間

そこだけは不安を忘れ、確かに幸せを感じていた。

でも今傷付いている彼を見てとても不安になる。

そんなAをラベンダーは愛おしそうに見つめた。そして、やれやれといった様子で優しく笑った