男前彼女とオカマと暗黒のタマ (ページ21)

今日:19 hit、昨日:34 hit、合計:66,719 hit

19.治療ページ21

レモンがバックミラーを見ていると後ろから何かが走って来るのが見えた。

「？……っ！アイツらよ！」
「戻ってー！」「あなたー！」

ラベンダーとAもバッと振り返れば後ろから猛スピードで走ってくる車の光が見えた

「出すわよ！」
車はだんだんと距離を詰めてきていて、これ以上待つのは危険だと判断したレモンは車を発進させる

「早く早く！」「急いで！」「もう少し！」
車を追いかけひろしが手を伸ばしながら走る。
そしてあと少しで届くというところで何故かローズは手を引っ込める。

「いやぁん！手ぇ洗ってないでしょ！ばっちぃー！」
「洗えるかっ！！！」

「どけ！ほらっ！」

見かねた東松山がローズを押しのけひろしの手を掴んだ。が「「あああああああ！！！」」

東松山がひろしの引っぱりに耐えきれずに外に出て一緒に畑へと転がり落ちてしまった。

「ああ！」
『え゛ぇ！？』
「行くわ！」
「あなたぁ！」
「浮気するなよぉー」

＊
＊
＊
追ってきた車をなんとか撒いて森の中に車を停めた
今晩はここで休み日が出てから出発することにする。
今日は色々あったため皆疲れの色も出ていた。

「あの人大丈夫かしら……」

「大丈夫だよ。父ちゃん今頃、あのお姉さんとよろしくやってるゾお」

「そりゃ意味が違う！」

ヒロシを心配するみさえにローズが安心させる様に
「頼りないとはいえ、刑事と一緒なんだからなんとかなるわよ。それにあの女達の狙いはこの子なんだから…」

あたりを見回していたレモンが声を潜める
「まだ近くにいるわ」

「下手に動くとかえって見つかりやすいわね。
赤ちゃんもおねむみたいだし朝までじっとしましょ」

「ええ…とにかくこの子が無事なら…」

「オラはどうでもいいのか」

「あら、ヤキモチ？」
「違うもーんだ、みのもーんた」

タバコ吸ってくる。車を降り、車から少し離れた場所に座る。

火の灯りで見つからないように手で隠しながら吸おうと決め ZIPPOに手を伸ばすが、

『つかない』

利き手を捻挫してしまい、左手でどうにか付けようとするが繰り返すが上手くいかずに、疲れもあいまって落ち込む。

『はぁ～…』
「何してるの？A」

振り返ると後ろにラベンダーが立っていてAを見下ろした。そして左手に持ったZIPPOと咥えタバコのAをみつめ呆れたように笑った。