男前彼女とオカマと暗黒のタマ (ページ16)

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14.喫煙所の話ページ16

A

困ったなぁと内心独りごちる

喫煙所に向かう途中でたまたま居合わせたわか2人組にナンパされ、なんとか切り抜けたのだが、今度は他の男のナンパされ、もう10分近くたつのだ。
ちなみにタバコはまだ1本も吸っていない。

普段は胸が目立たない服しかもメンズ服に帽子をかぶっているためどこからみても男だが、

いまのA は健康ランドのワンピース1枚に、普段は下ろしている髪を片耳にかけしっかり乾かさなかった髪が色っぽく首に張り付いていた。

金髪にピアスにタバコで一見チャラいが、
根はなかなか真面目なAはどう断りを入れてから喫煙所へ向かうべきか悩む。

『あの、自分喫煙所に行きたいんでほんとにどいて貰えます？』

「じゃあさ！喫煙所に一緒に行こうよ！」
「喫煙所出たあと俺らの車でドライブ行こうよ！」

『いや1人で吸いたいんで』

「じゃあドアの前で待っとくからさ！」
「喉渇いてない？なんか奢るよ？」

『いやあの…「探したわよA」

後ろからの声に振り返ると少し呆れた様子のラベンダーが立っていた。はぁ、助かった。と駆け寄る。

ラベンダーさんが迎えに来てくれたことでようやく喫煙所にいける。出会って数日しかたっていないが彼には感謝ばかりだ。自分より少し高めの位置にあるラベンダーの首に両手を回し軽く抱きついた。

『ツヨシくんタバコ吸いたくてさ、ちょっと喫煙所付いてきてくんない？』

困ったように笑ったAにラベンダーは状況を理解し、Aの手を引きナンパ男を一瞥して横を通り過ぎ喫煙所に向かった。

喫煙所
ラベンダーside

『ごめんね』と申し訳なさそうにするAに気にしないでと返し一服する彼女を見た。いつもと違い女性らしさを感じさせる。

『あと、敬語も忘れてたし』

「あぁ、別にそのままでいいわよ。むしろそっちの方がアナタらしいわ」

『いやでも、元々、田舎のヤンキーばっかりとつるんでたんで、あんまり口が良くなくて』

『敬語で話さなくてもアナタが礼儀正しいことはよく分かってるもの。だから必要ないわ』

わかったらもうこの話は終わりよ。と何か言いたそうなAに言いつけうん。と返された返事に笑顔で返した。タイミングよくタバコを吸い終えたA
に呼び止められる

『あのさ、つよしくん』
「どうしたの？」
『ありがと』

可愛らしく照れた様子の彼女には
「お易い御用よお姫さま」と返したのだった