アタシが苦手な野郎共 【∞】

アタシの周り ページ2

朝8:16

大体アタシはこんくらいの時間に教室に入る。



あ、今日はまだいない。ラッキー。

いそいそと自分の席に移動して、着席。

カバンから本出して、栞取って、読書にいそしむ。

いやぁ、ずっと続き読みたかったんだよね、これ




ｷｬｰｯ…



「…ん？」

今、なんか悲鳴が…

しかも、廊下から聞こえたような…

いや、気にしない気にしない

さっさと続き…



ｷｬｧｰｯ…


……やっぱ聞こえた

んで、だんだん声デカくなってきてる。

「……まさか」

いや、いやいや

こんな早くに朝練を終えて来たってのか?

気のせい、気のせい…


ｷｬｧｱｰｯ…


「気のせいじゃねえ…!」

しまった…! 早くここから逃げ出さねば!!


と、思ったのもつかの間

ガララッ

「……来やがった」

「「「きゃぁあぁあっ!!!!」」」

うるさいくらいに響き渡る女子の黄色い声援

それは、アタシの背後にいるであろう2人に向けてのものである。

?1「おぉ、おはようさん」

?2「おーおー俺らも人気者やなぁ」

振り向きたくない

ていうかまずこの場から逃げ出したい

なんで今日こんなに早く来るんだよ!!
いつもだったらHRギリだろうが!!

?1「お、想麻! おはよぉさん」

「テメェいきなり頭触んじゃねぇよっ!!」

?1「なんや、つれへんなぁ」

「うっせー白豚が!!」

?1「ヒッド! 白豚ってなんやねん、俺は動物か!?」


ま、この調子だとアタシに異様なくらいくっついてくる野郎共が集まるだろうから…

とりあえず、順を追って紹介しようか


1「あ、なぁ想麻。科学のノート見してくれへん?」

高校3年間同クラ

隣(右)の席

色白物忘れ常習犯バスケ男子

横山裕


2「想麻、今度の日曜の試合観に来てくれへんか?」

同じく高校3年間同クラ

隣(左)の席

ツッコミ八重歯サッカー男子

村上信五


「なんでアタシが見せなきゃなんないんだよ。んで試合は観に行かねーし」

村上「ええやんけ、ヒマやろ?」

「部活入るかもしれないから行けまっせーん。誰か他探せ」

村上「いやっ、想麻やないとアカンねん!!」

「理由は」

村上「お前に来て貰うと調子ええから」

「知るか」

横山「おいっ、ちょっ、ノート、見せてくれや」

「イヤだし」

横山「なんで!?」

「そもそもとってない自分が悪いんだろ、自業自得だ」

横山「そんな事言わずに! 隣の席のよしみで!」

「ヤダ。アタシのより永崎さんのとか借りりゃいいだろ」

横山「いやっ! お前やないとアカンねん!!」

隣のクラスの小さいオッサン→←こんなアタシ

ラッキーメンバー

性格以外完璧なクラスメート

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