重力を増す廊下と佇む後輩たち ページ29
ほぼ自由時間みたいな体育が終わって、中休み。
どこかいつもより静かな3年の廊下をふたりして歩く。やっぱ冬近いから寒い。スカートの下なんか履かせてくれ。
「それで？ 二次試験受けるの？」
「ああ、うん。受ける」
「なーんか、この時期色んなとこピリついてるよねー。就職組とか、センター組とかさぁ」
「夏頃に専門学校合格してる人とかいたしな。結構早ぇんだよな」
「なんだっけ、ブライダル系？ 美容専門だっけ？」
「いや、知らねえし」
受験シーズン真っ只中のこの時期は、他学年は3年のクラスを通らなくなる。
というのも、ガチの顔して参考書見てるやつとか、英語の単語ブツブツ呟いてるやつとか、そういうのが多くなる。
そんな重苦しい空気の廊下歩きたくねえだろ。アズとかは普通に先輩に用あるっつって闊歩してたけどな。
そしたら、こいつらもその例外にあたんのかな。
「あっ、先輩!!」
「何してんだ大倉。安田も」
うちのクラス前に突っ立ってた背の高いのと、反対にちっこいの。派手な髪色とネクタイの色ですぐに分かる。
大倉に至っては1年だっつーのに肝据わりすぎだろ。
「えへ、あのぉ……先輩方、白衣とかって持ってたりしません？」
「また忘れたのか安田お前」
「えー、あるにはあるけど……大倉じゃサイズ違いすぎない？ 身長いくつだっけ？」
「180です!!」
「でっか……ええ、無理じゃない？ 袖ぎちぎちでしょ」
「まずあるかどうかだろ。ちょっと見てくるわ」
「あたしも。多分あった気がするー」
ちょっと探すとすぐに見つかった。いつ使うか分かんねぇから定期的に持って帰って洗ってんだよな。
アズもしまってたらしく、ピシッとアイロンがかかった白衣が出てきた。
つか、新品並みに真っ白なんだけど。なんで？
「あったあった。はい」
「わぁ!! ありがとうございますぅ」
「大倉、ちょっとブレザー脱いで着てみて。ダメそうだったら他の人呼ぶから」
「つうか、お前ら学年違うのにやる教科同じなのかよ」
「1年と2年の合同授業なんですよ。先輩たちやらんかったんですか？」
「……あったっけ」
「や、多分なかった気がする……」
つーことはなんだ。今年からできたやつか。
アタシらんときやんなかったというか、先輩達の一部が治安悪かったからかもしんねぇ。朝登校したら窓ガラス割れてるとか、尾○豊の世界線じゃねぇんだよ。
「あっ!! 痛い痛い痛い!! 肩痛い!!」
「ほらやっぱり!! 大倉合わないんじゃん!!」
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朱雀(プロフ) - マルルさん» コメントありがとうございます！そして、おかえりなさいと言うべきなのでしょうか？(笑) 私も18祭行きました！余韻に浸りながら細々と続けてます！生活がガラッと変わりなかなか更新頻度が芳しくありませんが、ぜひ最初から読んでまたご覧いただけたら幸いです！ (2022年7月20日 13時) (
レス) id: e3806d850b (このIDを非表示/違反報告)
マルル - 初めまして！18祭のライブに行ってから久々にこの小説が読みたくなって必死に探して最初のシーズンから読んでます。個人的に村上くんとの絡みが好きです！これからも応援し続けます！ (2022年7月19日 20時) (レス) id: 3bfedbe2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱雀 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年3月19日 1時
