羽のように軽い言うても、人間やっぱ重たいねんな Y.Y ページ20
「想麻。ちょっと手、こっち」
「え、なに……」
「ちゃんと掴まっとけよ」
「やだからなん、ぅわっ!!」
うお、重た……
よく『猫みたいに軽い』とか聞くけど、人間やっぱ重いねんな。内臓入っとるし。
けどここで降ろしたらなんか、アカン気がしてきた。男の意地ってヤツ。
あと、ちらっと見えた太ももがなんか、イイ。
「よこ、横山、降ろせって」
「アカン。お前のこと待っとったら日ぃ暮れるわ」
「そうじゃ、なくて。絶対ぇ重いだろ」
「そんなことないわ」
「じゃっ、なんで腕プルプルしてんだよ」
バレてた。
やっぱ腕の筋肉もつけなアカンな。そういうのすぐ分かってまうから。
「いやマジで、降ろせっ」
「大丈夫やって。俺いける」
「今のお前の『大丈夫』は、信じらんねえ」
「なんそれ、仕返し？」
「マジで、本当に降ろせって」
「そんなにイヤ？ 俺も傷つくねんけど」
「お前、保健室下の階にあんの、忘れてる？」
「……あ、」
しまった。想麻抱えとるから足元見えへん。
これで足踏み外したらかなり恥ずいやん。俺もケガしたらめっちゃイジられるやつ。
「……一旦、降ろすな」
「や、もう抱えなくていい。似合わねえことしたら痛い目見るって、 分かったろ」
「おっしゃる通りです……」
ほんのチョットの螺旋階段降りて、肩支えながらなんとか辿り着いた。
近づいたときに、つむじの石鹸の匂いにちょっとドキドキしたんはナイショ。
「センセー、おる？」
「おー、どうした」
「想麻体調悪いねん。ベッド貸したって」
「あぁ？ 想麻が体調悪ィって、天変地異の前触れか？」
「珍しいけどな。ベッド借りるわ」
「じゃ熱計っとけ。体温計どこいったっけか」
「目の前あるやん」
相変わらず死んだ魚の目ぇしとる先生。ホンマになんで保健室のセンセなれたんやろ。
保健室だよりとか見るけど、割とマトモなこと書いてんねん。こんなんでも。
「で？ どこ痛てーの」
「胃……あと、なんか喉酸っぱい…」
「いつから？」
「4日くらい、前……？」
ちゅうことは、試験の判定来る前の日からこんな感じやったん？
よお我慢してたな。隠すの上手いわ。
「なんか食ったか？」
「最近、は……ゼリーとか、なんかそんなん…」
「えっ、弁当は？ いつも食べてたやん」
「食べらんなくて、残してた……」
「そう、か……」
そういや、昨日もおとついも中庭のベンチで食うてたな。
あんま見られたくなかったんとちゃうかな…
そんなん、知らんかった Y.Y→←元気な姿、最近見たんいつやっけ Y.Y
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朱雀(プロフ) - マルルさん» コメントありがとうございます！そして、おかえりなさいと言うべきなのでしょうか？(笑) 私も18祭行きました！余韻に浸りながら細々と続けてます！生活がガラッと変わりなかなか更新頻度が芳しくありませんが、ぜひ最初から読んでまたご覧いただけたら幸いです！ (2022年7月20日 13時) (
レス) id: e3806d850b (このIDを非表示/違反報告)
マルル - 初めまして！18祭のライブに行ってから久々にこの小説が読みたくなって必死に探して最初のシーズンから読んでます。個人的に村上くんとの絡みが好きです！これからも応援し続けます！ (2022年7月19日 20時) (レス) id: 3bfedbe2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱雀 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年3月19日 1時
