共通だろうがAOだろうが試験は試験 ページ15
翌週。
手元に届いた【重要書類】の押印がされてある大学の封筒。
一次試験の通達だ。こういうのは学校を通して来るらしい。
「い、いくで」
「……おう」
「せぇー、のっ!!」
ガサッと出した書類のてっぺんに書いてある一次試験の評価。
結果、【C】
「…………C」
「想麻Cやったん？ 俺も」
「横山も？」
「俺もや。なんや全員揃ってCかいな」
「村上もか……」
なんか、安心した。アタシだけじゃなかったか。
いや本当はB評価くらいは貰いたかったけど、あの面接じゃあな。
「ええ、と。3人ともC評価やったんやね……」
「あ、そっす」
「先生、顔色悪いわ」
「いつもです……」
「で、次は小論とー……ああ、もっかい面接やるんか」
「ああ、その前になんやけど…」
「え？」
我らが担任が言うには、
横山や村上が受ける学部はまず人数がとにかく多い。その分の枠が広いから、たとえC判定でも二次試験で合格する確率は決して低くない。マジで成績悪いか、別の大学受験するってんなら話は変わるけど。
が、アタシが受ける学部は違う。まず在学人数が他学部よりもかなり少ないし、学科になるとその学部の中で最も少人数だ。アタシらが受けるAO入試の他に共通テストで受け入れる人数だって確保しなきゃならない。
つまりどういうことかっていうと、
「今の段階で、別の大学検討することも視野に入れとったらええと思うよ」
「……別、の」
「言うても、今の時期やともう共通テストしかあらへんなあ……」
「待っ、ちょお待ってやセンセ。想麻、そんなにヤバいん？」
「ヤバい、というか……受かる確率が、現状そんなに高くない、て感じかな…」
「今どんだけ低いんや」
「定員数12人で、C判定が74人……単純計算で1/6の確率で合格範囲に滑り込めるかってことじゃねえのか？」
「サイコロで1出す確率やんけ……」
「そのサイコロの1をアタシが出せるかどうかって話なんだわ。先生が言いたいのはそういうこと」
「うん、そうやね……」
こいつぁ困った。
サイコロで1を出す賭けに出るか、これを投げて共通試験への勉強を今から始めるか。
推薦枠はとうの昔に締め切ってるし、他の方法もない。
他大学で今からAO試験やろうって言っても、もう一次試験は終わってる。
「次の二次試験を受けるか、降りるか。やな」
「降りるて……そしたら想麻、」
「同じ大学、行けへんてことか？」
「……そう、なるな」
ええ……めんどくせ。
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朱雀(プロフ) - マルルさん» コメントありがとうございます！そして、おかえりなさいと言うべきなのでしょうか？(笑) 私も18祭行きました！余韻に浸りながら細々と続けてます！生活がガラッと変わりなかなか更新頻度が芳しくありませんが、ぜひ最初から読んでまたご覧いただけたら幸いです！ (2022年7月20日 13時) (
レス) id: e3806d850b (このIDを非表示/違反報告)
マルル - 初めまして！18祭のライブに行ってから久々にこの小説が読みたくなって必死に探して最初のシーズンから読んでます。個人的に村上くんとの絡みが好きです！これからも応援し続けます！ (2022年7月19日 20時) (レス) id: 3bfedbe2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱雀 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年3月19日 1時
