さっさと帰ってもよかったのに ページ14
「失礼しました」
…………終わった。
色んな意味で。
本番と練習って全然違うって分かってたけど、実際にやるとはっきり言える。
緊張感が段違いだ。
入って挨拶して、自己紹介や願書に沿った質問はなんとなく答えられた。それはまだいい。
問題は次だ。『これまで読んできた本について教えてください』
この学科に入るにあたって必要そうな本は読んできたけど、それについて『あなたが感じたことはなんですか？』とか『その中で最も印象的なのは？』とか。
ぶっちゃけ、読んだ本多くてあんまし覚えてなかった。
あと、『この学科でどんなことを学びたいですか？』っていう質問で『これこれこういう学問について学びたいです。具体的には○○先生のこの講義を学びたいと思ってます』って返したら、
『それ以外には？』
って言われた時の絶望感よ。
そりゃそうだわ。それだけやりたいんなら聴講生でもいいんだし、他の大学との交換授業だってやってんだから別んとこ入っても問題ねぇだろって判断されるわ。
つか、あと何話したか覚えてねえ。頭真っ白だわ……
「………あﾞ」
「おぉ、お疲れさん!!」
「お前最後やで。連絡見てへんかったん？」
「…………おぉ」
「絞り出したなぁ。なんや、アカンかったんか？」
「ん、いや……ゔぅん…」
「アカンかったんやな」
「俺も無理やったわ。ちゃんと受け答えできたか分からんもん」
「アンタのそれはいつもやろ」
校門前にいた横山と村上。どうやらずっと待ってたらしく、何度か電話もしたって。そういや電源切ってたわ。
渋谷はと聞けば、トイレで外してるって。
「俺もまぁ、ゔん。あんま良ぉなかったわ」
「え、お前が？ 面接の教科書村上が？」
「変なあだ名付けんとってくれ。アレやな、雰囲気に飲まれたな」
「俺アカンもん。5回は噛んだわ」
「それいつもだろ」
「変わらんな」
「なんやねんな」
「うぉーい、戻ったわ」
「おっ、帰ってきよった」
いや渋谷。いつも以上に鞄ペラッペラじゃねぇかよ。中身どこやった。
何あのペラペラ具合。まだ教科書の方が厚みあるわ。
「あっ！？ はにぃいつ来たん！？ 連絡くれやぁ!!」
「今」
「おっしゃ、集まったところでお疲れさん会やろか」
「え、結局やるの？ 一次試験で？」
「マッ○でええやろ。駅前の」
「あっこ人多いからイヤや。別んとこがええ」
「ほいだらあっこ。お好みどや」
「もう想麻んちでええんちゃう？」
「いや話聞けよ」
共通だろうがAOだろうが試験は試験→←面接前の静寂は心臓を搾る
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朱雀(プロフ) - マルルさん» コメントありがとうございます！そして、おかえりなさいと言うべきなのでしょうか？(笑) 私も18祭行きました！余韻に浸りながら細々と続けてます！生活がガラッと変わりなかなか更新頻度が芳しくありませんが、ぜひ最初から読んでまたご覧いただけたら幸いです！ (2022年7月20日 13時) (
レス) id: e3806d850b (このIDを非表示/違反報告)
マルル - 初めまして！18祭のライブに行ってから久々にこの小説が読みたくなって必死に探して最初のシーズンから読んでます。個人的に村上くんとの絡みが好きです！これからも応援し続けます！ (2022年7月19日 20時) (レス) id: 3bfedbe2b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱雀 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年3月19日 1時
