万事屋と社長さんと先生と ページ1
「ねーちゃん、チョコレートパフェちょうだい」
「黒玉あんみつください」
「アハハハハ!! おまんら、遠慮っちゅーもんどこぞに置き忘れてきたんか?」
「清水ゥ、おめー茶ァ飲むとか言ってなかったっけ」
「甘いもの食べたくなっちゃって。こう、でろっと甘いのじゃなくてすっきりした甘いやつ」
「ンな甘ぇもんなんて同じだろ。胃に入れたら全部糖分になんだよ」
「胃に入れなくても全部糖分だよ」
「おまんら、わしの話聞いちゅうがか?」
「え、なに? さっきの酒抜けて飲みてーって? しゃーねぇな、何飲むよ。ビール?」
「ファミレスのお酒ってそんなに種類ないよね」
「バァカ、今はもうそんな時代じゃねーの。飲みのシメはラーメンじゃなくてファミレスなんだよ」
「シメにドリア食べる人がどこにいるのさ」
「こないだ食ったら胃が暴れた」
「やったの? シメにドリア食べたの?」
「やっぱチーズはツマミだよ。ドリアはダメだな、合わせるならワインだ」
「わし泣いていい?」
ファミレスの一角にて。
銀髪と茶髪の天然パーマ、サラサラヘアーの青みがかった黒髪の男たちが揃って肩身狭そうにテーブル席に着いていた。
銀時と坂本は身長、体格ともに大きい。一方の清水は細身かつ小柄な方で、某総督ほどではないが背の低さでイジられることが多かった。そういう時は必ずと言っていいほど酒の席だったため、酒瓶で野郎の頭をかち割りかけたが。
男三人がテーブル席に詰め込んでいると、ドリンクバー頼む? 全部混ぜる? という男子高校生ノリが発生する。それが顕著な銀時や坂本に冷ややかな一瞥をくれた。
昼を抜いていた銀時が先に頼んだたらこスパ、ハンバーグと若鶏のセットが届き、じゅわっと脂が鉄板で跳ねる。
先ほど蕎麦を食べてきたはずの胃袋がきゅるると鳴った。消化がいいからなのか、よその人の食べているものはなんでも美味しそうに見える幻影からか。
「おい、やんねーぞ」
「僕もなんか食べよっかな」
「おんし、さっき昼メシ食うたち言わんかったか?」
「蕎麦だったんですよ。盛りそば」
「へぇ、一人か?」
「んん、桂くんに財布代わりにされた」
「ヅラ? マジか、アイツいたんか」
「通りがかりに拉致られたよ」
お冷をちびちび飲んでため息が漏れる。ああ、コイツもあの電波の被害者なんだなと同門を憂う。
相変わらずじゃのう、と呑気にメニューを捲る坂本の脛をテーブル下で蹴って何するんじゃ金時と怒られた。金時じゃねえよ。
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うす - 更新ありがとうございます…!この作品が大好きです応援してます! (9月19日 22時) (レス) @page50 id: d6b5e366a4 (このIDを非表示/違反報告)
oyz031(プロフ) - とても面白く、興味深いお話で続きが気になります。応援しています (8月30日 0時) (レス) @page49 id: 7ddb3de917 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - いつまでも更新お待ちしております、! (5月21日 18時) (レス) id: c35eeb83bd (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 最近めちゃくちゃ更新されてますね!すごく楽しみにしてるので嬉しいです!無理のない範囲でこれからもお願いします! (2023年4月22日 20時) (レス) id: 19052b8914 (このIDを非表示/違反報告)
モブ - ものすごくこの小説が大好きです!次の話に進むたびドキドキしてしまいます...!!! (2023年3月24日 2時) (レス) id: 24c7afdf4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年3月1日 15時