ご依頼ですよ、万事屋さん ページ8
事情聴取は翌日に行うとし、まずは風呂と食事が優先された。
まだ事件の直後で不安定な彼らに付き添う形でAの同行が求められ、それを承知した。久しぶりに姉と時間を共にできることに、弟や妹たちは大喜びだった。
風呂に入っている間、火急の依頼で土方が万事屋に金を出した。年頃の子どもが好みそうな着物を用意してくれ、とのことだった。
「ハァ? なんで俺たちが」
「そこに居たからだろ」
「登山みてーな理由で使いっ走りすんなよ。こんなちっちぇ金で俺たちが動くかってんだ」
「そうアル!! 依頼なら酢昆布一ヶ月分と白米寄越せよコノヤロー!!」
「遣いだっつってんだろ!! 誰がてめぇらにやる金っつったよ!!」
「でも銀さん、隊士の皆さんが子どもたちの喜びそうな着物が見繕えると思いませんし……
何より、年頃の子どもに接する機会が圧倒的に多いのはこっちじゃないですか。真選組の皆さんが、服選びのセンスがあるとは思えません。いつも隊服ですし」
「おい、ケンカ売ってんのか」
実質、万事屋というだけあって客層は幅広い。神楽の遊び相手は様々な流行りに敏感な年頃の子どもが多く、センスは無いにしても新八は姉がいるため買い物に付き合わされることが多い。銀時は普段の和洋折衷の着物から分かる通り独特の感性を持っているが、それが不評だったことはあまりない。
対して、真選組は制服が主で女性が居ないことや年頃の子どもの扱いが分からないこともあって流行りに疎い。着流しや袴が普段着で、オールシーズンそれらを着回していることから分かる通り、とりあえず着られればいいや精神なのだ。
「依頼料は後で渡すから、それで適当に3、4着見繕って来い」
「へいへい」
「ついでにスナックのバーさんに連絡つけとけ。あいつ今日泊まりだからな」
「あぁ? いつ決まったよ」
「さっきだわ。話聞いてんのか」
「Aをケダモノ共の巣に置いておけないアル!! 銀ちゃん、私もAとお泊まりしたいヨ!!」
「つってもなぁ……」
「客間で雑魚寝つったら了承したぞ。チャイナ、お前雑魚寝できんのか」
「できるヨ!!」
「んじゃ、俺も泊まろっかなー。今晩のメシ何?」
「僕、姉上に連絡入れてきますね」
「なんっでてめぇらまで便乗しようとしてんだ!! 誰がいいっつったよ!!」
「いやぁ、一応神楽の保護者だしィ? Aいるっつっても、いつ盛った輩に襲われるとも限らねーしさぁ」
「それに、僕らみたいに歳の近い人がいたら安心でしょうし」
強面に囲まれたらチンピラだって警察だって怖い→←姉の元へ、大前姉弟
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りんこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!もし決まってましたら、大前兄妹の年齢を教えていただけないでしょうか? (2021年2月24日 15時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月23日 17時