公務員or零細企業 ページ37
真選組では沖田が最年少だ。腕は立つが、どうしても末っ子気質が抜けない彼にとって大前兄弟は弟のように思えたのだろう。
素直じゃないんです、とけらけら笑う門番につられて姉の口元が緩む。
と、そこに増えた影が3つ。神楽がげぇ、と苦い饅頭を食べたような顔をした。
「おっと、こいつァお揃いで」
「姉ちゃん!!」
「ただいま。弟たちに稽古をつけていただいたそうで、ありがとうございます」
「どんなガキかと思いきや、なかなか筋があらァ。アンタが良けりゃスカウトしてぇくらいでさァ」
「ふざけんなヨ。誰がチンピラ警察に入りたがるネ、せーぜー下僕に使われて終わりヨ」
「へっ、給料未払いの零細企業がなんか言ってらァ。テメェらは永遠に猫まんま食ってろィ」
「ブラック警察に言われたくないアル、キューリョーなんて酢昆布で十分だもんネー」
「あーあ、貰えんのは薄っぺれぇ海藻かィ。俺ら公務員だから腐るほど金貰うんだけどな〜」
「んだとこの税金泥棒がァ!! やんのかクソチワワァ!!」
「かかってこいやクソチャイナァ!!」
中庭にて火花を散らす一番隊隊長とチャイナ娘。オルァアアアア、と叫びながら剣戟を繰り広げながらどこかへ消えていった。
もはや当たり前の光景になった真選組や万事屋はなんてことの無いようにさぁ飯だと屯所に入るが、大前家には刺激が強かったのだろう。ぽかんと呆けて立ち尽くした。
「師匠……強ぇ…!!」
「待って、いつから師匠になったの?」
「師匠凄いんだぜ。めちゃくちゃ速ぇんだ、姉ちゃんより速い!!」
「へぇ。じゃ孝太郎はもう私の太刀受けない自信があるんだね?」
「それはちょっと……」
「ご飯食べたら道場お借りしようか」
「待って待ってごめんてば!! 姉ちゃん!!」
「久しぶりに無制限試合しようね」
「地獄じゃん!!」
ガッデム、と頭を抱える長兄に、あーあと妹は哀れな目を向けた。 姉より強い人がいるのは分かっているが、その姉にすら勝てない男が言う言葉ではない。確実に琴線に触れた。
夕飯の前に、局長から話があると伝達されて大前家は局長室に向かうことになった。一方の万事屋は、一戦終えた神楽が合流し夕飯を待つ。
「Aどこ行ったアルか?」
「それが、近藤さんに呼ばれたみたいで」
「何考えてんだかねぇ、あのゴリラは」
「スカウトとか言ってましたけど、冗談ですよね?」
「そんなん許さないヨ!! 男たちの穢れた目にやられちゃうアル!!」
「いやスカウトされたの弟くんだし」
※彼らは警察です。→←地区ごとに午後5時のチャイムって違うって知ってた? 知ってる? あ、そう
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りんこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!もし決まってましたら、大前兄妹の年齢を教えていただけないでしょうか? (2021年2月24日 15時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月23日 17時