アタシが苦手な野郎共【∞】祭 (ページ37)

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【バレンタインデー】漆ページ37

「ただいまー…」

凍えた体にヒーターの温度がありがたい。

もう指先かじかんで感覚ないわ。指先白い。

横山「おう、おかえり」

安田「おかえりなさーい♪」

「……おい、なにさも当然みたいにそこ座ってやがんだお前ら」

普通にお客かと思ったら知り合いだったよ。

なに和んで茶飲んでんだ腹立つ。

横山「なにって、バレンタインやん」

安田「僕ら、先輩にお菓子持ってきたんですよぉ♪」

「お前らもか……」

横山「おい。もってなんやねん。もって」

「今しがた丸山と渋谷から貰ってきたんだよ。それと大倉とな」

横山「うわはっや。何もう渡してんねんあいつら」

安田「はい、どーぞっ♪」

ぴょこんと跳ねて差し出されたのは、某有名チョコレート店の期間限定パッケージ。

この時期よくCM流れてる、あのショップのロゴ。

「え、貰っていいの?」

安田「どーぞ♡ 一生懸命選んだんですよぉー」

「ちょっ、お返し何あげればいいの? 香水? マンタ? 亀?」

安田「できれば、A先輩を♡」

「いやゴ○ィバに見合うほど価値ある女じゃないから」

いやまあとりあえず貰っておこうか。

いやー、何返せばいいんだろ。

っていうか、いつ返せばいいんだ。

横山「俺からも、あるで」

「お、何? ブラックサンダー?」

横山「なんで俺がブラックサンダーあげんねん!! ちゃんとしたやつや」

「ちゃんとしたチロル?」

横山「駄菓子ちゃうって。俺そんなに金ないように見える?」

「うん」

そう返したら『もうあげへん』なんて拗ねちゃって。

めんどくせぇなコイツ。何しに来たんだよ。

「別にくれないならくれないでいいんだけど」

横山「ある!! あるからちゃんと!!」

「じゃよこせ」

横山「なんでそない上から目線なん?」

『しゃあないな』とかぶつくさ言って横山も箱くれた。

箱…っつーか、あの有名な女神のマークの紙袋。

中にはテイクアウトしたコップと箱。

横山「キッチュや」

「キッシュな。

予想外だったけど、まぁありがとう。受け取っとくわ」

横山「甘いもんばっかやと、舌変になるやろ」

「うん、なるわ」

安田「わ、ええなー♪ 横ちょ僕にもちょーだいっ」

横山「あげへんわ!! 想麻にだけや」

安田「おケチぃ」

横山「ケチちゃうわ。なんで俺があげなアカンねや」

安田「信ちゃんにはあげたくせにっ!!」

「あ、そうなんだ。頑張れ」

横山「何のエールや!!」

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横山裕×安田章大。

このコンビ、なーんだ?