アタシが苦手な野郎共【∞】祭 (ページ4)

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【Halloween】肆ページ4

櫻井「想麻さんって分からないようにするからさ。それだったら文句ないでしょ?」

「顔バレない?」

櫻井「全然バレない。衣装だって体大きく見えるくらいサイズあるし」

「んー……えぇー………?」

大野「大丈夫だって。誰も想麻ちゃんって気づかないから」

「マジで?」

大野「マジマジ」

だったらいいかな…

それ着てただ歩いて『トリッカートリート』って言えばいいんだろ?

うん、いいじゃん。

「頼むわ」

大野「じゃ、ちょっと待ってて。演劇部行ってくる」

「なんで?」

大野「そこから借りんの。もう使わなくなった衣装があるからって」

「ゴミ箱とほぼ同等の扱いじゃねーか」

櫻井「それは言わないであげて…」

そして、大野が持ってきた衣装っていうのはまぁびっくり。

今まで着たことないような、なんていうかボロ豪華って感じのモンだった。

「よくもまぁ今まで放置してたもんだ……

うっ、埃くせっ」

櫻井「ずっと倉庫に入ってたっていうしね。一応クリーニングに出したんだよ?」

「嘘だろ、ちょっと臭うぞこれ」

櫻井「後で消臭するから大丈夫だって。

そこに簡単な更衣室作ったから、中で着替えていいよ」

「あ、どーも」

つか、重たっ。

なんだこれ、すっげー重たいんだけど。

昔の演劇部ってのは体力あったんだなー……

「………どうよ」

櫻井「おぉ!! いいねぇ」

大野「想麻ちゃん似合ってる!!」

「そらどーも」

櫻井「次はここに座って。顔分からないようにメイクするから」

大野「メイク担当は松潤ね」

「松……あぁ、1年の」

濃い顔の子ね。覚えてる覚えてる。体育祭で会ったもんな。

メイクできんのか、今の男子高校生ってのは。

美容院でよく見るようなキャスター椅子に座らせられ、やたら種類が多いブラシとかパレットみたいなのが運び込まれ……

って、これまさか私物?

嘘だろ、多分安田でもやらねーぞこんなん。

もしや、隠れオネェ!?

いやっ、ありえるかもしんない!! 濃い顔の人ってそういうのがいるって聞いた!!

松本「……オネェじゃないです」

「あっ、いたのか」

松本「いました。さっきからここに」

「悪い、気づかなかった」

松本「でしょうね、

最初にカラーコンタクト入れようと思うんですけど、大丈夫ですか?」

「アタシ裸眼だから平気」

松本「分かりました。色はどうします?」

「任せる。化粧はよく分からん」

松本「はい。

それじゃ、下まぶた下げますね」

「うぃー」

……やべ、なんか緊張してきた。